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三菱コントロールシステムズ(MHI-CS)では、火力プロセス制御監視の開発・製作を進めてきましたが、その中でプロセスの異常診断・予知に早くから取り組み、お客様の設備運転・保守に貢献してまいりました。
このたび、当社横浜システム技術部米倉主幹が、これまで慶應義塾大学理工学部本多教授と共同研究で進めてきたガスエンジン発電機のエンジン燃焼音による異常診断予知の可能性に関する研究成果の一つとして、発電機の音響診断について、計測自動制御学会で発表しました。
異常診断には、古典的な手法から、高度な解析・統計手法がありますが、周波数解析(FTT)、AR、尤度法、Wavelet解析等でデータ可視化を試みる一方、実験数学者岡部先生(故人)の提唱する揺動散逸原理に基づく時系列的解析手法*に辿り着き、これの体系的に優れている面から、異常診断予知への適用可否を検証しました。データにはガスエンジン運転音データを用いた結果、既知の解析との整合が見られ、一定の可能性が認められました。
*岡部先生の手法は、センサ信号の定常性変化点を検出予測する手法で、定常であることの検証を19次の非線形変換を行い、180回の検定を施しすべて通過すれば確実に定常である証とし、通らなければ異常発生と判断できるというものです。パラメータ、閾値不要であり、特段のKnow How、インテリジェントを駆使せずとも結果が出せる点が大きな特徴です。
今後実用化を目指すには、さらなる検証に加え、リアルタイム性をあげロバストなシステムに仕上げる作業が必要となります。この研究で、この手法が論理的に定常非定常を明快に判定できることが分かりましたので、将来は各種機械プロセスの異常診断と異常予知への応用につなげていきたいと考えています。
計測自動制御学会SICE「計測と制御9月号」(和文)
SICE ANNUAL CONFERENCE 2013 @ Nagoya 9/14-17への投稿論文(英文)