様々な燃料ニーズに対応するボイラ
自家発電用や小売り電力事業者、あるいはプロセス送気を目的とする産業用ボイラとして、化石燃料の代替エネルギーや工場の生産プロセスから発生する副生燃料を利用することができます。
製鉄所における高炉ガス(BFG)やコークス炉ガス(COG)を利用する副生ガス焚ボイラ、製油所における触媒再生塔から排出されるCOガスを利用するCOボイラ、石油精製プロセスの石油残渣物焚ボイラ、製紙パルプ工場における黒液回収ボイラなど、様々な燃料に対応したボイラを提供し、エネルギーの有効活用に貢献しています。
ボイラの種類
副生ガス焚きボイラ
BFGは製鉄所の高炉から副生され、ダストや不活性ガスの二酸化炭素と窒素が多く含まれ、発熱量の低いガスです。
BFGは低カロリーで燃焼性が低いため、COGやLNG、LPGなどの高カロリー燃料による保炎が必要です。これらの保炎燃料を最低量とするために、独自に開発した高炉ガスバーナを採用した設計としています。
COGは製鉄所でコークス製造の際に副生されるガスで、メタンや水素を多く含み、発熱量が高く燃焼性に優れています。
主要仕様
運開 | 3号ボイラ 1998年 4号ボイラ 2004年 |
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ユニット 出力 |
67.8MW(最大.75.2MW) |
蒸気条件 | 9.7MPa(G) × 540℃ |
主蒸気流量 | 243.1 t/h(最大270t/h) |
燃料 | BFG, COG, LDG, Tar |
引渡条件 | 据付+試運転完了渡し |
(石油残渣物焚きボイラ)石油コークス
重質油分解装置の1つであるディレードコーカーより産出される石油コークスは、難燃性の燃料です。
当社の燃焼システムを採用することで、ボイラ燃料としてクリーンに安定的に燃焼させることができ、有効利用することができます。
主要仕様
運開 | 2005年 |
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ユニット 出力 |
110MW |
蒸気条件 | 12.95MPa(G) × 541℃ |
主蒸気流量 | 428 t/h |
燃料 | 石油コークス専焼 |
引渡条件 | 据付+試運転完了渡し |
(石油残渣物焚きボイラ)SDAピッチ
溶剤脱れき装置などの残油分解装置から抽出されるSDA(Solvent De-Asphalting)ピッチは、高粘度、高硫黄分、高窒素分と環境負荷の高い燃料のため、有効利用が難しいボイラ燃料です。
当社で開発した燃料のハンドリングや燃焼の技術を採用し、腐食や大気環境への対策を講じることで、ボイラ燃料として有効利用することができます。
主要仕様
運開 | 2005年 |
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ユニット 出力 |
50.6MW |
蒸気条件 | 12.70MPa(G) × 536℃ |
主蒸気流量 | 400 t/h |
燃料 | SDAピッチ、 VR(バックアップ用) |
引渡条件 | 据付+試運転完了渡し |
黒液回収ボイラ
製紙工場に設置されるボイラであり、パルプ製造過程で発生する廃液である黒液を燃料とするボイラです。
黒液はボイラに投入され、黒液中の有機分(可燃分)を燃焼し蒸気を発生させるとともに、黒液中の無機分(ソーダを主成分とする蒸解薬品)をスメルト(溶融塩)として、還元回収するものです。
黒液回収ボイラは、炉床に十分な大きさのチャーベッドを形成させる必要があるため、同一蒸発量の重油ボイラに比べて火炉断面積は大きくなります。
火炉は還元域の火炉下部が最も腐食の厳しい領域であるため、火炉壁管には色々な手法で腐食対策を講じています。
また、黒液の高濃度化や蒸気条件の高圧化にも対応できるように、耐食性の向上を図っています。
黒液回収ボイラの特徴
① ボイラプラントの高効率化
高圧高温の蒸気条件の採用
② 黒液燃焼システム
4次空気方式、多段燃焼方式
③ 火炉の腐食対策
肉盛溶接管の採用
④ 過熱器の腐食対策
高耐食過熱器材料の採用
⑤ ボイラ水洗システム
過熱器、蒸発器、節炭器の水洗対応
⑥ ボイラ構造上の配慮
火炉出口メンテナンスビームの設置
燃料方式と燃料の種類
多彩な燃焼方式で様々な燃料を有効活用することが可能です。