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◆社会的なニーズに合致した高度な技術の開発と、実機への適用に向けた試験内容・検証が評価される
◆本年度大会における技術高度化奨励賞では唯一の受賞
◆歴史ある同賞の受賞を励みに、水素発電技術による脱炭素社会実現に向け前進
三菱重工パワーインダストリーは、プロジェクト事業部ボイラ技術部ボイラ技術・燃焼設計課主任の上妻 富明(こうづま とみあき)が執筆した技術論文「産業ボイラー向け高性能水素バーナの開発」で、一般社団法人日本ボイラ協会主催の2023年度第61回全日本ボイラー大会にて技術高度化奨励賞を受賞致しました。贈賞式は、11月10日兵庫県神戸市のホテルオークラ神戸にて開催されました。
全日本ボイラー大会とは、毎年11月に全国のボイラー関係者が一堂に会して特別講演、優良ボイラー技士などの表彰、研究発表、パネルディスカッション等を行う、一般社団法人日本ボイラ協会が主催する全国大会です。その中でボイラー技術等に関する優良な論文に対し、技術高度化奨励賞が授与されています。
今回受賞の技術論文「産業ボイラー向け高性能水素バーナの開発」は、2022年11月の第60回全日本ボイラー大会にて研究成果として発表し、さらに「ボイラー研究」誌向け論文として執筆したもので、それが本年度の同賞受賞対象となりました。
本論文には、産業ボイラー向け高性能水素バーナの開発に加えて、実機への投入・適用に向けた試験内容や技術的な検証に至るまで詳細に記載した点が評価され受賞に至りました。
執筆者の上妻は長年ボイラー開発業務に従事しており、2016年度からボイラー燃焼装置の詳細設計業務及びボイラー燃焼器の開発業務に、2020年度からは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業※の下、産業ボイラー向け水素バーナの開発業務に実務担当として携わってきました。
当社は産業ボイラー向け高性能水素バーナの開発を既に完了させており、今後はその技術の社会実装を進め、水素焚ボイラーの普及で脱炭素社会の実現、及びエネルギー資源の多様化による日本の製造業強靭化に貢献していきます。
技術論文「産業ボイラー向け高性能水素バーナの開発」の概要は下記の通りです。
概要:脱炭素社会の構築に向けて水素利用の拡大が急務であり、早期の水素の大規模利用における課題の解決が求められる。既存の化石燃料を利用するボイラーの燃料を水素へと転換することで、既存設備を有効活用した経済的かつ迅速な水素導入が可能となる。
水素利用には、単位体積当たりの発熱量が小さいことによる供給・燃焼設備の大型化や、火炎温度が高いことによる排出NOxの増加といった課題がある。本研究では、これらの課題を解決可能な高性能水素バーナを開発し、実機ボイラーの様々な燃焼方式に適用できることを試験設備において実証した。
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「水素社会構築技術開発事業/大規模水素エネルギー利用技術開発/高濃度水素混焼/水素専焼焚きボイラ・発電設備の技術開発」