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三菱重工パワー環境ソリューション株式会社(社長:加賀見守男、本社:横浜市中区、以下、弊社)は、三菱重工業株式会社との共同試験にて、1m3の閉鎖空間で吸着担体に付着させた新型コロナウイルス※1のオゾンガス※2による曝露試験を実施し、新型コロナウイルスを低減させる効果が得られることを可視化技術※3で確認しました。
※1 試験ウイルス:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株(オミクロン株)
※2 弊社保有の大規模空間向けの空気浄化装置オゾンレイザーと同じ放電技術(以下、当該技術)で生成したオゾンガス
※3 可視化技術 :抗原抗体反応を用いた化学発光法
1. 共同試験概要
弊社は、三菱重工業株式会社(取締役社長CEO:泉澤 清次)との共同試験(以下、本試験)において、当該技術で生成したオゾンの曝露により閉鎖空間内の付着ウイルスを低減させる効果が得られることを、可視化技術で確認した。
2. 試験内容
(1)試験場所
一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター
(2)試験方法
室温、湿度:55±5%RHに維持した1m3チャンバー内に、試験ウイルス懸濁液を細胞培養液で希釈して薄膜担体に吸着させ、以下の2条件におけるウイルス量の変化を、抗原抗体反応を用いた化学発光法で可視化した。
①オゾン曝露試験条件
・オゾン濃度:5 ppm
・曝露時間:0、4、8、12 分
・曝露条件(CT値*):0、20、40、60
*CT値(Concentration-Time Value):オゾン濃度(ppm)×曝露時間(分)
②洗浄剤拭き取り試験条件
・拭き取り時間:5 分
・拭き取り方法:一般社団法人日本衛生材料工業連合会ウエットワイパー類の除菌性能試験方法に
準拠
・洗浄剤:0.05%塩化ベンザルコニウム、比較用としてPBS*を使った試験も実施
*PBS(Phosphate-buffered saline):リン酸緩衝生理食塩水
・コントロール:拭き取り無し
(3)試験結果
各条件におけるウイルス量の変化を可視化した結果を、図1~2に示す。
図1. オゾン曝露試験結果
図2. 洗浄剤拭き取り試験結果
(4)考察
オゾン曝露の場合は、CT値が大きくなるにつれ発光度合いが明らかに低減し、付着ウイルス低減効果を目視により確認することができた。
一方、洗浄剤拭き取りの条件では、処理前後の発光度合いの低減効果が、オゾン曝露に比べ相対的に少ないことを確認した。
本試験結果によりオゾン曝露は、洗浄剤拭き取りに比べて、より高い付着ウイルス低減効果を持つものと考えられる。
(5)特記事項
・本試験は基礎的な条件下における付着ウイルスの低減効果を調査するものであり、付着ウイルスの不活化に必要な条件を示すものではなく、また実使用環境での性能を保証するものではありません。また本試験は、浮遊ウイルスの低減効果を実証した結果ではありません。
・オゾンのウイルスに対する一定の低減効果が報告されていますが、これらはオゾンがウイルス感染症に対する予防効果を有することを意味したり、保証するものではありません。