ポーランドの火力発電所向け排煙脱硝装置を受注 欧州の排出規制強化をクリア
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、ポーランドの発電会社であるエネア社(ENEA Wytwarzanie S.A.)から、コジェニッチェ(Kozienice)火力発電所1、2号機向け排煙脱硝装置(SCR(注1))2基を受注しました。大気汚染の原因となるNOx(窒素酸化物)排出量を80パーセント以上削減する高性能システムで、運転開始は1号機向けが2015年末、2号機向けが2016年5月の予定です。
今回受注した脱硝装置は、首都ワルシャワの南南東約85キロメートルに位置するポーランド最大級の石炭火力発電所であるコジェニッチェ発電所1、2号機に追設するものです。1、2号機の出力はともに20万キロワットで、これにより、欧州で2016年から実施される火力発電所の排出規制強化のハードルをクリアして、年間を通じて安定的な連続運転を可能としていく計画です。
この脱硝装置は、石炭焚きボイラーに適する独自開発のプレート型触媒を用いることにより、幅広い運転負荷範囲に対応して高いNOx除去効率を実現するものです。当社はこの設備一式の設計・製作・供給から試運転までを担当。土建・据付工事などは現地の建設会社であるエアブッド社(Erbud S.A.)が手掛けます。
コジェニッチェ発電所に対しては、今回の脱硝装置に先立って当社(当時はバブコック日立)が、2001年から順次、SOx(硫黄酸化物)を除去する排煙脱硫装置(FGD(注2))を受注しており、現在建設中の2基を含めて1~11号機のすべてのボイラー向けに合計5基の脱硫装置を供給します。また、11号機向けには100万キロワットの超々臨界圧石炭火力発電設備一式を受注しており、現在建設中です。今回の受注はこれらの実績と、同国向け脱硝装置納入初号機となるシェキエルキ(Siekierki)発電所(11万キロワット×4)での実績が高く評価されたことによるものです。
当社は今後も、排出規制強化の流れに伴い需要増大が見込まれる欧州市場をはじめとする世界市場で、高効率な脱硝、脱硫システムを積極的に提案し、安定的な電力供給と環境負荷低減に貢献していきます。
- 1SCR = Selective Catalytic Reduction (選択接触還元法排煙脱硝装置)
- 2FGD = Flue Gas Desulfurization (排煙脱硫装置)
以上
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