天然ガス焚きコージェネレーション設備で、台湾のCO2排出削減低減の切り札に
Gas Turbine
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顧客 | 長春集団(Chang Chun Group) |
プラント | 1. 長春人造樹脂 大発工場 2. 長春石油化学 苗栗工場 |
総出力 | 1. 約3万kW 2. 約3万kW |
国・地域 | 台湾(高雄市・苗栗市) |
主要製品 | H-25形ガスタービン・TOMONI® |
スケジュール | 1. 2022年受注・2024年春頃運転開始予定 2. 2023年受注・2025年春頃運転開始予定 |
KEY POINTS
- 台湾の有力石油化学コングロマリットである長春グループから、長春人造樹脂(大発工場)および長春石油化学(苗栗工場)のコージェネレーション(熱電併給)設備用に、合計2機のH-25形ガスタービンの納入が決定
- TOMONI®を活用した運転サポートも提供
概要
小さな島に溢れる活気! イノベーション支援も充実
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西太平洋の日本とフィリピンの間に位置する木の葉のような形をした島、台湾。日本の九州とほぼ同じ約36,000km²の小さな島ですが、約2,300万人もの人々が暮らし、ヘリテージ財団が発表する経済自由度指数ランキングでは6位に輝くなど経済活動も活発です(注1)。
台湾の中心地である台北に足を踏み入れると、まず目に飛び込むのは道路を埋め尽くすバイクの数!外食中心の食文化であることから屋台や夜市も多く、一日中にぎやかな活気に満ちています。 政府は「イノベーティブ・インクルーシブ・サステナブル」をキーワードとするビジョン「2030スマート台湾」を掲げており、スタートアップやイノベーションを積極的に支援。世界を牽引する情報通信技術(ICT)製造分野はもちろん、環境・エネルギー分野においてもさまざまな取り組みを推進しています(注2)。- 1台湾外交部発行 [2022.11] 「2022−2023台湾のしおり」
(https://multilingual.mofa.gov.tw/web/web_UTF-8/MOFA/glance2022-2023/2022-2023%20Taiwan%20at%20a%20Glance%20(Japanese).pdf) - 2(注1)に同じ
- 1台湾外交部発行 [2022.11] 「2022−2023台湾のしおり」
CO2排出量を削減し、2050年までに脱炭素へ
2021年4月、台湾政府は2050年までにカーボンニュートラルを実現することを表明しました。2022年3月には「2050年ネットゼロ排出ロードマップ」を発表し、具体的な施策を明示。2030年までに約3兆7,800億円を投じ、脱炭素実現に向けた動きを加速させていく計画です(注3)。
CO2削減が特に喫緊の課題となっているのが、台湾国内の企業や工場です。台湾国内の企業ではこれまで自社工場で石炭を使用しているケースが多く、政府や自治体からCO2削減の要請を受けるだけでなく、カーボンフットプリントを重視する企業からも同様の要求が出始めています。
- 3JETRO [2022.5]「台湾の脱炭素に向けたロードマップを読み解く」
(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/01464c8cfbcaf9b4.html)
石炭消費低減に向け、三菱重工のガスタービンを採用
そうした流れを受け、台湾の有力石油化学コングロマリットである長春グループ(Chang Chun Group)ではエナジートランジションを見据えた新設備の導入をスタートさせました。 長春人造樹脂および長春石油化学の合計2か所の天然ガス焚きコージェネレーション(熱電併給)設備において、三菱重工のH-25形ガスタービンの導入を決定。いずれも既設の石炭焚きボイラーを代替するもので、三菱重工の高効率なガスタービンによって石炭使用量を減らし、CO2削減を目指します。
導入成果
実績あるH-25形ガスタービンで、さらなる環境負荷低減を
長春人造樹脂大発工場、および長春石油化学苗栗工場向け2か所のコージェネレーション設備は、ガスタービンを駆動させて電気を生み出し、排熱回収ボイラーでプロセス蒸気を取り出す「天然ガス焚き熱電併給型」のシステムです。この天然ガス焚き熱電併給型は、従来の石炭焚きボイラーに比べ、温室効果ガスの原因とされるCO2の排出を抑えながら、複数のエネルギーを高効率に利用できるというメリットがあります。
今回そのコージェネレーション設備に採用される三菱重工のH-25形ガスタービンは、産業施設やコージェネレーションシステム向けに最適化されたモデルで、これまで国内外で200台近い豊富な実績と運用を誇っています。従来の石炭焚きボイラーから天然ガス焚きのH-25形ガスタービンに切り替えることで、高いレベルでプラントの高効率化とCO2排出量の削減を実現でき、長春人造樹脂および長春石油化学の両工場では2030年までにあわせて76万tonCO2/年(注4)が削減できると見込まれています。またH-25形ガスタービンは、燃焼器を交換するだけで水素燃料やアンモニア燃料への移行が可能なので、今後さらなる環境負荷の低減に取り組んでいく際にも柔軟に対応できます。
- 4Chang Chun Group [2022.5] "2022 CCPG Sustainability Report"
(https://www.ccp.com.tw/ccpweb.nsf/ProfileEN?OpenAgent&ProfileName=CSR)
H-25形ガスタービンのリプレース映像
ソリューション
納入から据え付け、AI運転サポートまで、長期的に貢献
現在導入が決まっている2機のうち、1号機は長春人造樹脂の大発工場で2024年春に、2号機は長春石油化学の苗栗工場で2025年春にそれぞれ運転開始を予定しており、三菱重工はH-25形ガスタービン本体・補機の納入、および機器の据え付け並びに試運転等のサポートに向けた技術者派遣を行います。
また、運転においては当社のインテリジェントソリューションサービスTOMONI®を活用し、AI技術を使った24時間遠隔監視サービスを提供予定。より安全・安心なH-25形ガスタービンの運用をサポートします。現在、三菱重工と長春グループは、本件を含め計4台のH-25形ガスタービン納入に関する大枠合意を結んでいます。台湾における産業基盤強化およびエネルギー環境負荷軽減に、三菱重工は引き続き貢献していきます。
顧客・担当者の声
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長春石油化学
総経理蔡智全
長春グループは1984年からコージェネレーション設備を順次導入しており、今も主力設備として当社製の蒸気タービン9基、ボイラー5缶から工場内プロセスへ電気と蒸気を供給しています。今回長春グループはCO2排出量削減を計画する中で、高い信頼性と200台近くの実績を有する三菱重工のH-25形ガスタービンを選定し、その導入を決定しました。三菱重工の卓越した技術と高い信頼性をもつH-25形ガスタービンが長春グループのCO2排出量削減ニーズに大きく寄与するものと確信しています。
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三菱重工業
台北事務所 (Taipei Office) 営業部門 主任童 偉誠
台湾の産業用マーケットに於いては、CO2排出量を低減でき、安定した電力を供給できるガスタービンコージェネレーションシステムの需要が今後拡大していくとみられています。これからも当社の信頼性の高いガスタービンと幅広いアフターサービスの提供を通じてお客様のプラントの安定操業を支えると共に、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて積極的に貢献していきます。