最新鋭設備で生まれ変わるウズベキスタンの天然ガス発電

最新鋭設備で生まれ変わるウズベキスタンの天然ガス発電
最新鋭設備で生まれ変わるウズベキスタンの天然ガス発電
2021-04-14
GTCC
※画像はイメージです

GTCC
 

プロジェクトオーナー ACWA Power社
プラント シルダリヤ火力発電所
総出力 150万kW
国・地域 ウズベキスタン共和国(シルダリヤ)
主要製品・サービス M701JAC形ガスタービン・LTSA
スケジュール 2021年2月受注

概要


旅人を魅了し続ける中央アジアの要衝の一つ

  • 旅人を魅了し続ける中央アジアの要衝の一つ
  • 中央アジアのとりわけ内陸部に位置するウズベキスタンは、古くから多様な文化が交差するシルクロードの要衝として栄えてきました。現在もオアシス都市のエキゾチックな面影を残し、中でも2500年の歴史を誇る古都サマルカンドの美しさは圧巻。町の象徴でもあるブルーのモスクや澄んだ青空から「青の都」とも呼ばれ、世界中から訪れる多くの観光客を魅了します。
    かつては旧ソ連の構成国であり、その当時始まった綿花栽培は今も国の主要産業の一つ。加えて、金、ウラン、天然ガス等の鉱工業も盛んですが、第一次産業主体の経済構造からの脱却を目指しており、経済成長が期待される国です。

急増する電力需要。老朽化したインフラでは限界も

  • ウズベキスタンは天然ガス資源が豊富である一方、石油・石炭の生産に乏しく、国内で消費されるエネルギーの約73%が天然ガスによって賄われています。しかし今、工業化や人口増加が進むウズベキスタンの電力需要量は増加の一途。旧ソ連時代に作られた電力供給インフラは近年急速に老朽化しており、電力の安定供給が喫緊の課題になっています。

    そこでウズベキスタン政府は2019年、再生可能エネルギーや省エネ発電の導入を積極的に進める方針を打ち出し、中期の省エネ目標や補助金施策を決定しました。2020年にはサウジアラビアの急成長ディベロッパーACWA Power社と共同で、25億米ドルを投資した3つの発電プロジェクトを発表。シルダリヤに150万kW級の天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所を建設するほか、ブハラとナヴォイにある2か所の風力発電所を強化する計画となっています。

  • 急増する電力需要。老朽化したインフラでは限界も

最新鋭のガスタービンで、天然ガス発電の効率化を図る

  • 最新鋭のガスタービンで、天然ガス発電の効率化を図る
  • 先に挙げた3つの発電プロジェクトのうち、今回三菱重工が関わることになったのはシルダリヤのGTCC発電所建設です。2021年、当社は同発電所の中核機器となる「M701JAC形ガスタービン」2基を受注。高経年化したシルダリヤ地区の既設発電所の一部を信頼性が高く発電効率の良い最新鋭設備に置き換えることで、電力の安定供給とCO2排出量の削減に貢献します。

    当社は、ACWA Power社と本プロジェクトのEPC(設計・調達・建設)契約者である中国葛洲壩集団有限公司(CGGC:China Gezhouba Group Co.,Ltd)との間で機器供給契約を交わしたものです。本プロジェクトは2023年運転開始予定です。

導入成果


約65万人分に相当するCO2排出量(年間)を削減

  • 今回三菱重工が供給するJAC形は、燃焼器に蒸気冷却を採用しているJ形をベースに、GAC形で実績のある空気冷却燃焼器を採用した最新型のガスタービンです。タービンの入口温度を高く維持したまま空冷化でき、コンバインドサイクルのさらなる高効率化と運用性の改善を実現しました。

    このJAC形ガスタービンを採用することで、シルダリヤ地区全体の発電効率を向上させることができ、CO2排出量を年間220万トン削減できる見込みです。これはウズベキスタン国民一人当たりの年間CO2排出量の約65万人分に相当します(注)。また、新たに建設される発電所は同国の設備容量の約8%を占める規模となり、電力供給の安定化にも寄与します。

    • 世界銀行調べ(https://data.worldbank.org/indicator/EN.ATM.CO2E.PC?locations=UZ)
  • 約65万人分に相当するCO2排出量(年間)を削減

ソリューション


ガスタービン納入後は、安全運転を長期でサポート

  • ガスタービン納入後は、安全運転を長期でサポート
  • 当プロジェクトのオーナーはACWA Power社で、設計・調達・建設は北京市に本社を置く中国葛洲壩集団有限公司(CGGC社)が担当します。
    ガスタービン本体の製造は当社の高砂製作所(兵庫県)で行い、現地に技術員を派遣して据え付けおよび試運転を支援します。併せて25年間の長期保守契約(LTSA)も締結し、信頼性のある運転をサポートします。

当社担当者の声


  • 三菱重工業株式会社 エナジートランジション&パワー事業本部 GTCC事業部 高砂営業部 輸出三グループ 主任 イスラムラナ ムハンマドアリフル
  • 三菱重工業株式会社
    エナジートランジション&パワー事業本部 GTCC事業部
    高砂営業部 輸出三グループ 主任

    イスラムラナ ムハンマドアリフル

    「当社はこれまでにウズベキスタンのナヴォイ(Navoi)発電所第1・2号施設、タリマルジャン(Talimarjan)発電所、タシケント(Tashkent)熱電併給所、そしてトゥラクルガン(Turakurgan)火力発電所向けに、ガスタービンや蒸気タービンなどを含む発電設備を供給してきました。また設備供給だけでなく、発電所の運転・保守、エンジニア向けの技術トレーニング等にも取り組んでおり、今後もウズベキスタンとの良好な関係を維持・発展させながら、安定的かつ効率的な電力事業運営に貢献していきます。」

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プレスリリース