クリーンで信頼性の高い発電を求めて

クリーンで信頼性の⾼い発電を求めて
クリーンで信頼性の⾼い発電を求めて
2017-10-27
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GTCC
 

顧客 Grand River Dam Authority(GRDA)
プラント グランドリバーエネルギーセンター
総出力 49.5万kW
国・地域 アメリカ合衆国(オクラホマ州)
主要製品 M501J形ガスタービン
スケジュール 2014年 受注
2017年 運転開始

概要


北米初のJ形ガスタービン。62%以上の発電効率で運転中

  • 概要
  • 小さな町と広大な風景、アメリカ合衆国中南部に位置するオクラホマ州。ミュージカル「オクラホマ!」で描かれたように大草原と高原から成る自然豊かな州です。開拓時代から畜産業が盛んで、全米最大規模の牛のせり市もあります。また、オクラホマ州は米国の中で第4位の原油と天然ガスの生産量を誇ります。オクラホマ州を代表する2つの都市(オクラホマシティとタルサ)の発展も石油・ガス産業に支えられてきました。
    その第2の都市タルサの東56kmに三菱重工が、州の公益電力会社であるGRDA(Grand River Dam Authority)から受注したガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備で運営する「グランドリバーエネルギーセンター(Grand River Energy Center)」の第3号施設があります。GRDAには1980年初めに建てられた石炭焚き火力発電所が2基ありました。より高効率で環境負荷の少ない持続可能な発電へ転換すべく、既設の1基の運転を終了し、今回の第3号施設が新たに建設されました。

  • 三菱重工のGTCCが選ばれたのは、高い発電効率によるエネルギーの有効利用と環境負荷低減に貢献できるためです。本プロジェクトは北米初のJ形ガスタービン受注であるとともに、当初の保証性能値を2%上回る、世界最高水準の62%の発電効率を達成しました。(注)
    2017年3月14日に初着火、そのわずか2日後には電力系統にシンクロ、GRDAにとって最初の電力供給を開始しました。さらにGTCCでの試験運転を実施、継続運転も順調に積み重ねていき、本契約に於ける納期より、35日も前倒しで納入を完了させることができました。現在はオクラホマ州で産出される天然ガスを燃料として49.5万kWの発電を行い、同州77群のうち75群に電力を供給しています。

    • 2017年時点での世界最高基準
  • 概要

導入成果


コンバインドサイクル発電方式で、CO2排出量50%削減

  • コンバインドサイクル発電方式で、CO2排出量50%削減
  • GTCCは、化石燃料を使用したもっともクリーンかつ高効率な発電設備です。発電効率は従来型石炭焚き火力発電方式より20%向上し、当時世界最高水準の62%以上を達成。またCO2排出量も従来型に対しておよそ50%削減することができます。
    火力発電には大きく2種類の方式があります。燃料を燃やして水を沸騰させ、発生した水蒸気でタービンを回す蒸気タービン方式。もう1つは燃料を燃やして発生せた高温・高圧の燃焼ガスでタービンを回して電気を作るガスタービン方式です。
    どちらもタービンを回した後の蒸気、燃焼ガスが持つ熱は捨てられていました。
    GTCCでは発電に使用したガスタービンから排出される高温排ガス(600℃程度)を回収し、その熱で蒸気を発生させて蒸気タービンを回して、さらに発電を行います。つまりガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式です。少ない化石燃料で電気を作ることができる為、温室効果ガスであるCO2の排出量を抑えることができます。
    高効率で環境に優しいGTCCは、電力の安定供給に寄与するとともに、火力発電の低炭素化に貢献しています。

ソリューション


25年間の長期保守契約を締結

  • グランドリバーエネルギーセンターの第3号施設で使用されているM501J形ガスタービンは、三菱重工の米国生産拠点であるサバンナ工場(ジョージア州)で製作したJ形ガスタービンの初号機にあたるものです。蒸気タービンも当社が製作・納入しています。発電機は三菱電機株式会社製を採用しました。
    また、同プロジェクトの一環で、当社が開発したインテリジェントソリューション「TOMONI®」の導入を含む25年間の長期保守契約(LTSA)を締結しました。
    TOMONIはAI技術を活用して発電所の運転データを分析することで、設備を最適化し、事業収益性の向上、および環境負荷低減などに貢献できます。

  • 25年間の長期保守契約を締結

顧客の声


  • 顧客の声
  • エグゼクティブバイスプレジデント(注)

    Charles J. Barney

    GRDAが、グランドリバーエネルギーセンターで第3号施設を建設する為に、三菱重工のメンバーと一緒に仕事ができたのは、私にとって非常に光栄なことでした。そのような全てのパートナーの方々と、効率と信頼性において業界をリードする新標準を打ち立てるという、私たちが抱くビジョンを共有していました。各パートナーは、彼らの最高の設計技術や建設技術をもって貢献してくれて、私は、彼らの成し遂げた比類なき成果を賞賛しました。この超高効率な発電設備は今、私たちの水力や風力発電と協調し、GRDAのお客様が、低コストで、クリーンかつ安定した電力を何十年間も得られることの証となるでしょう。

    • 肩書は当時のものです

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