スペインの火力発電所向け排煙脱硝装置を受注 欧州の排出規制強化をクリア
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、ポルトガルの電力会社EDPグループ(Energia de Portugal:EDP) 傘下のスペイン電力会社であるイドロカンタブリコ社(Hidroelectrica del Cantabrico S.A.:HC社)から、アボニョ(Aboño)火力発電所2号機およびソト デ リベラ (Soto de Ribera)火力発電所3号機向け排煙脱硝装置(SCR(注1))を受注しました。大気汚染の原因となるNOx(窒素酸化物)排出量を80パーセント以上削減する高性能システムで、運転開始はそれぞれ2016年と2017年の予定です。
今回受注した脱硝装置は、スペイン北部のアストゥリアス(Asturias)県に位置するアボニョ発電所2号機とソト デ リベラ発電所3号機に追設するものです。出力はそれぞれ56万キロワットと36万キロワット。これにより、欧州において2016年から実施される火力発電所の排出規制強化のハードルをクリアして、年間を通じて安定的な連続運転を可能としていく計画です。
この地域は、美しい海水浴場で有名な観光地、ヒホン(Gijón)の街なども擁していますが、今回の脱硝装置は、このエリア一帯の環境保全にも一役買うこととなります。
この脱硝装置は、石炭焚きボイラーに適する独自開発のプレート型触媒を用いることにより、幅広い運転負荷範囲に対応して高いNOx除去効率を実現するものです。当社はこの設備一式の設計・製作・供給から試運転までを担当。また、土建・据付工事などは、コンソーシアムを組む現地の建設会社、テセカ社(TSK ELECTRÓNICA Y ELECTRICIDAD, S.A.:TSK)が手掛けます。
当社は、この脱硝装置に先立って2005年に、今回の両発電所向けにSOx(硫黄酸化物)を除去する排煙脱硫装置(FGD(注2))をそれぞれ受注。同装置はともに順調な運転を続けています。今回の受注はこれらの実績と、海外における多数の脱硝装置の追設工事実績が高く評価されたことによるものです。
当社は今後も、排出規制強化の流れに伴い需要増大が見込まれる欧州市場をはじめとする世界市場で、高効率な脱硝、脱硫システムを積極的に提案し、安定的な電力供給と環境負荷低減に貢献していきます。
- 1SCR = Selective Catalytic Reduction (選択接触還元法排煙脱硝装置)
- 2FGD = Flue Gas Desulfurization (排煙脱硫装置)
以上
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