カナダ向けGTCC発電設備を受注 M501J形ガスタービンを採用したシングルシャフトGTCC 2系列
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、カナダの発電会社であるキャピタルパワー / エンマックス(Capital Power/ENMAX)が建設する出力各50万キロワット超のジェネシー(Genesee)発電所4、5号機向け天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を受注しました。最新鋭のM501J形ガスタービンを採用したシングルシャフトのGTCC 2系列で、カナダ向けJ形ガスタービンの受注は今回が初めてです。併せて、長期保守契約(LTSA)も締結しました。運転開始は4号機が2018年末以降、5号機が2020年の予定です。
今回のGTCC発電設備は、当社の米国事業会社、Mitsubishi Hitachi Power Systems Americas, Inc.(MHPSA)が全額出資するカナダ法人、Mitsubishi Hitachi Power Systems Canada, Inc.(MHPSC)を通して、キャピタルパワー(G4)社パートナーシップ(Capital Power (G4) Limited Partnership)から受注したものです。同国アルバータ州ウォーバーグ(Warburg)に新設するもので、運転開始後は、大容量かつ高効率の設備で、地域の旺盛な電力需要に応えていくこととなります。
なお、キャピタルパワー / エンマックスは、キャピタルパワー社(Capital Power Corporation)とエンマックス社(ENMAX Corporation)の合弁会社で、キャピタルパワー(G4)社パートナーシップは、この合弁会社の管理会社です。
GTCC発電設備は、M501J形ガスタービンのほか、蒸気タービンSRT-50、排熱回収ボイラー、発電機などで構成されます。今回の設備はガスタービンと蒸気タービンを共通のシャフトで結んで発電するシングルシャフト・コンバイドサイクルで、これにより、プラント建屋の大きさを大幅に縮小して、プロジェクトのコスト削減を実現します。
当社はこれら主要機器の製作・供給を担当します。このうち、ガスタービンについてはMHPSAのサバンナ工場(米国ジョージア州)で製作する計画です。また、運転開始後は、LTSAに基づいて、ガスタービン、発電機などの保守・管理、代替部品の供給、およびリモートモニタリングなどを行って、設備の安定的かつ高効率な稼働を支援していきます。
M501J形ガスタービンは、世界最高水準の高効率運転を実現することから、2009年の市場投入以来、国内外で順調に受注を拡大しており、その受注累計は、今回分および50ヘルツ用のM701J形も合わせて36基を数え、そのうち12基は営業運転を開始しています。また、累計運転時間も単体で18,800時間、J形全体では87,400時間超に達しています。
今回の受注は、この優れた性能と信頼性、さらには20年間に及ぶ保守サービスが高く評価されたことによります。
GTCC発電は、化石燃料を使用した最もクリーンかつ高効率な発電設備で、この設備にJ形ガスタービンを用いると、従来型石炭焚き火力発電と比べCO2排出量を約50パーセント低減することができます。
当社は今後も、高い燃費効率を誇るJ形ガスタービンとGTCC発電設備の市場浸透に一層力を注いで、資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していきます。
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