10万キロワット級 高効率ガスタービンH-80の名称を「H-100」に変更
三菱日立パワーシステムズ株式会社(MHPS)は、定格出力10万キロワット(100メガワット)級の高効率ガスタービンH-80の名称を「H-100」に変更します。出力を正確に反映した製品名とするのが狙いで、高い効率、信頼性、運用性、さらには低ライフサイクルコストを兼ね備えた従来の仕様に変更はありません。
H-100と名称変更するガスタービンは、中規模出力のヘビーデューティ型高効率ガスタービン(注)です。当初、出力8万キロワット級ガスタービンのリプレースが主要なターゲットの一つとなっていたため、H-80の名称を採用しましたが、定格出力が10万キロワット級であることをより明確にするため、名称を変更するものです。
H-100形ガスタービンは広範な適応性を有しています。シンプルサイクル発電設備やコンバインドサイクル発電設備の中核機器となって高効率発電を実現するほか、蒸気供給コージェネレーション発電設備でも優れた適応性を発揮します。また、老朽ガスタービンのリプレースや、液化天然ガスプラントなどにおいてガス圧縮機の動力となる機械駆動用にも適用可能で、市場の高い評価を得ています。
パッケージ設計の利点を持っているのもこのガスタービンの特徴です。品質管理された工場から完成品を出荷できることから、据付作業など現地工事の簡素化と工期の短縮を実現します。また、コンパクトなモジュール設計で、短納期かつ柔軟な現場レイアウトが可能です。
当社の中小型ガスタービンHシリーズは現在、出力2万8,000キロワットから4万2,000キロワット級をカバーするH-25形ガスタービンと、このH-100形ガスタービンで構成されています。ともに広く市場に受け入れられており、シリーズの受注累計は199基に達し、累積運転時間も500万時間超を誇っています。また、出力5万キロワット級のH-50形ガスタービンについても、パイロットプラントでの検証は2012年から実施しており、今後、実証プラントでの運転を行って2016年の市場投入を目指します。
火力発電システムは、再生可能エネルギーの急拡大を背景に、更なる運用性の向上が求められています。このような市場動向を睨んで当社は今後、中規模ガスタービンによる最適な提案を一層積極的に行って、電力の安定供給と環境負荷の低減を実現し、各国・地域の経済発展に貢献していきます。
- 重構造型と呼ばれるタイプで、信頼度が高く、設置現場でのメンテナンスがしやすくて保守頻度が低いことが特徴のガスタービン。
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