イベルドローラからM501J形ガスタービン2基と蒸気タービン1基を受注 メキシコのノレステGTCC発電所向け

発行 第 072号
M501J形ガスタービン
M501J形ガスタービン

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、スペインに拠点を置く多国籍電力事業者であるイベルドローラ(Iberdrola SA)から、メキシコ電力庁(Comisión Federal de Electricidad:CFE)が計画する出力85万キロワットのノレステ(Noreste)火力発電所向けM501J形ガスタービン2基と蒸気タービン1基を受注しました。メキシコで最大級かつ最高効率となる天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所の中核機器となるもので、運転開始は2018年7月の予定です。

 最新鋭のM501J形ガスタービンおよび蒸気タービンは、当社の米国拠点であるMHPSA(Mitsubishi Hitachi Power Systems Americas, Inc.)を通して受注しました。

 ノレステGTCC発電所は、イベルドローラが開発と運営の権利を受注したもので、メキシコ北東部のヌエボ・レオン(Nuevo León)州エスコベド(Escobedo)に新設されます。世界最高水準の高効率運転を実現するM501J形ガスタービンを同国で初めて採用する発電所で、運転開始後は、地域の約300万人相当の旺盛な電力需要に応えていくこととなります。メキシコ市場は当社事業において最も重要な市場の一つで、同国における発電設備容量の約40パーセントを当社が占めています。

 今回の大規模GTCC発電設備は、M501J形ガスタービン2基、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機などで構成されます。当社はこのうち、主機となるガスタービンと蒸気タービンを製作・供給するほか、技術者が現地で据付・試運転の指導に当たります。なお、このM501J形ガスタービン2基は、MHPSAの米国生産拠点であるサバンナ工場(ジョージア州)で製作します。また、当社は発電設備の長期保守契約を提案しており、部品供給や技術アドバイザー派遣などを通じて、顧客の長期かつ安定的なプラント運転をサポートしていく予定です。

 MHPSAのCEO デビッド・ウォルシュ(David Walsh)は、今回の受注を受けて次のように述べています。「25万キロワット超の出力を持つ60ヘルツの最新鋭のガスタービンの受注および納入実績でMHPSは世界トップですが、今回の受注は、M501J形ガスタービンの比類のない信頼性と高効率に加え、すでに多くの商業運転実績を上げていることが、高く評価されたことによるものです。」

 MHPSのJ形ガスタービンは、2009年の市場投入以来、国内外で順調に受注を拡大しています。現在までの受注累計は50ヘルツ用のM701J形も合わせて41基で、すでに17基が商業運転中。そのうち10基が一般的に信頼性有りと判断される実働時間8,000時間を超え、2013年の商業運転開始以降のシリーズ累積運転時間は17万時間を上回って業界最長の時間を達成しています。今回受注したM501J形ガスタービンは、過去20年に及ぶ実機の試験・運転とその分析を先進の技術に結実させたものです。また、G形とJ形を合わせた受注累計は、1997年の出荷開始以降135基に達しています。

 GTCC発電は、化石燃料を使用した発電方式としては最もクリーンかつ高効率な発電設備です。当社は今後も、高い燃費効率を誇るJ形ガスタービンとGTCC発電設備の市場浸透に一層力を注いで、資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していきます。

以上