ガスタービンの先進的機種として空気冷却方式をJ形に投入 発電効率は63パーセント以上に到達
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、最新鋭ガスタービンであるJ形の新機種として空気冷却方式の「JAC(J-series Air-Cooled)」形ガスタービンを市場投入しました。ガスタービンの新しい業界標準をもたらす高い効率と信頼性を発揮するとともに、コストを抑えた発電を実現する先進的機種です。
JAC形ガスタービンは、コンバインドサイクル運転により出力54万キロワット級(60ヘルツ用のM501JAC)、または同72万キロワット級(50ヘルツ用のM701JAC)の発電を行うことができ、発電効率は63パーセント以上に達します。その特徴は、J形の燃焼器を蒸気冷却から空気冷却に変換するため、燃焼器を改造したほか、タービン動静翼の冷却構造を最適化し、より高い燃焼温度に耐えられるようにしたことです。旧式の石炭火力発電設備を、世界で最も効率的で信頼性の高いガスタービンであるJAC形に置き換えることで、CO2排出量を70パーセント近く削減することができます。このJAC形の技術はすでに世界の市場で受け入れられつつあります。
米国MHPS(Mitsubishi Hitachi Power Systems Americas, Inc.)の社長兼CEO(最高経営責任者)であるポール・ブローニング(Paul Browning)は、次のように述べています。「MHPSは高性能ガスタービンの技術と信頼性で業界をリードしており、市場は高性能ガスタービンを積極的に受け入れ、顧客は電力市場に変化が起きていることを認識しています。MHPSは、ほかのどのガスタービンよりも効率的な空気冷却方式のJAC形で市場に変革をおこしつつあります。」
MHPSはすでに45基のJ形ガスタービンを受注しています。うち21基が稼働しており、これまでにない99.3パーセントの高い信頼性を確保して33.5万時間以上の商業運転を達成しています。当社の高砂工場では、実証設備複合サイクル発電所(通称T地点)でJAC形ガスタービンの運転試験と負荷試験を行い、その後数千時間の商業運転により信頼性を確認しました。
MHPSタービン技術本部長の六山亮昌(むやま あきまさ)は次のように述べています。「当社は、市場投入前に要素試験や実機検証試験に加えて長期信頼性実証運転を実施しており、ここまでの長期信頼性実証を行っているガスタービンメーカーはほかにありません。JAC形は現在T地点で、99.5パーセントの信頼性を示しつつ1万1,000時間以上の商業運転を継続しています。」
当社は今後も、この最新鋭機であるJ形およびJAC形ガスタービンの市場浸透に一層力を注いで、地球規模での環境負荷抑制と経済発展の両立に貢献していきます。
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