中国向けにガスタービンの異常予兆検知サービスを受注 北京のGTCC発電所でデジタルソリューション導入によりフレキシブル運用に貢献
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、技術供与先である中国の重電機器メーカー、東方タービン(東方汽輪機有限公司)との合弁会社である三菱重工東方ガスタービン(三菱重工東方燃汽輪機(広州)有限公司)を通じて、同国の国華電力分公司から、ガスタービンの異常予兆を検知するサービスを受注しました。北京地区に電力を供給するガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所向けで、サービスの運用開始は2017年4月の予定です。
検知サービスを導入するのは「中国神華国華(北京)燃気熱電発電所」で、2015年に営業運転を開始し、95万キロワットの電力を供給しています。同発電所には、東方タービンがM701F形ガスタービンを納入。併せて、三菱重工東方ガスタービンを通じ、12年間の長期保守契約(LTSA)も締結しています。
今回の受注は、火力発電所の運用支援を行う当社の取り組みの一環であり、近年フレキシブル運用へのニーズが高まる中国のGTCC発電所向けでは初のデジタルソリューション提供となります。ガスタービン異常予兆検知サービスは、当社が開発したAI(人工知能)と、異常が顕在化する前に原因推定を行う高度なアルゴリズムを搭載しており、発電所の稼働率向上に貢献します。また、万一異常が顕在化した場合には適切な対処方法を提示する機能も併せて提供します。
国華電力分公司は、中国最大手の石炭企業で世界最大の石炭ディーラーである神華集団有限責任公司の傘下で発電事業を手掛けています。北京を本社として1999年に設立され、中国5大発電集団に次ぐ発電規模を誇ります。
MHPSのデジタルソリューションはすでに多くの実際のプラントに導入され、機器の性能改善や計画外停止の回避、予兆に基づく最適なメンテナンスの実施など、発電所の運用改善を支援しています。今回の検知サービス導入はMHPSデジタルソリューションのグローバル展開の一環です。また、当社は東方タービンと合わせて、中国全土の発電所向けで60基を超える最新鋭のガスタービンを受注しており、今後デジタルソリューションによる運用支援サービスを多くの発電所に拡大していく計画です。こうしたサービス拡大に備えて、三菱重工東方ガスタービンにモニタリング・センターの開設を計画中です。
MHPSは、高効率火力発電設備の拡販および発電所運用支援サービスの普及を通じて、世界における電力の安定供給に貢献していきます。
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