インド合弁のL&T-MHPS ボイラー社に排煙脱硝技術を供与 技術ライセンス契約(TLA)を締結

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、インドの製造・建設系複合企業、ラーセン&トゥブロ社(Larsen & Toubro Limited:L&T)との合弁会社であるL&T-MHPS ボイラー社(L&T-MHPS Boilers Private Limited:LMB)に排煙脱硝装置(SCRシステム)(注)のライセンス供与および技術支援を行う技術ライセンス契約(Technology License Agreement:TLA)を締結しました。同国内におけるNOx(窒素酸化物)排出規制強化に対応するものです。

 このTLAはLMBに、インド国内における新設ボイラー用、またはLMBが製造した既設および建設中のボイラー用として、SCRシステムの設計、エンジニアリング、製造、据付、運転調整ならびに販売の独占権を付与するものです。また、同国内の他のボイラー製造業者が製造した既設および建設中のボイラーについては、非独占的な権利を与えています。

 インド政府は昨年12月、これから建設する設備に加え、既設および建設中の石炭火力発電所を対象としてNOxに関する新たな排出基準を導入しました。

 当社は、最先端の超臨界圧および超々臨界圧BTG(ボイラー・タービン・発電機)プラントや、低NOxバーナー、高効率の排ガス処理システムといった技術を用いる、よりクリーンな発電分野で、世界中の顧客に協力することを使命としてきました。その使命に向け、世界で最も信頼性が高く効率的な技術で顧客を支援するために、SCRシステムの技術を今回LMBにライセンス供与することにしたものです。

 L&Tは、インドを本拠として技術、エンジニアリング、建設、製造、金融サービスなど幅広い事業を手掛ける多国籍企業で、世界30カ国・地域以上でビジネス展開しています。LMBは2007年に設立され、グジャラート州のハジラ(Hazira)に最先端のボイラー工場を構えています。同社への出資比率はL&T51パーセント、MHPS49パーセントです。

 MHPSは今後も、世界的な排出規制強化の流れに伴い需要増大が見込まれるSCRシステムなど高効率な脱硝・脱硫装置の提供を通じ、電力の安定供給と環境負荷低減に貢献していきます。

  • SCRはSelective Catalytic Reductionの略で、アンモニアを還元剤として触媒によりNOxを無害な窒素と水に転換する技術です。

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