AI活用によりボイラー燃焼調整を自動化 台湾電力の石炭焚き火力発電所実機で導入試験
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)の活用によるボイラーの燃焼調整の自動化に向けてシステムを開発、台湾公営の台湾電力(台湾電力股份有限公司)林口(リンコウ)火力発電所で実機への導入試験を行い、AIによる燃焼調整がベテラン技師による調整と遜色ない結果が出せることを実証しました。現在開発を進めているAIを活用した火力発電所向け運転制御システムの中核を担うシステムの一つで、引き続き精度の向上や適用機能の拡大などの高度化に取り組んでいきます。
このボイラーAIシステムは、ボイラー運転における大量・複雑なデジタルデータの解析による運転コストや保守管理コストなど発電コストの最適化、不適合予兆・早期検知などの機能を国内外の電力会社へ提供することを目指して、開発を進めているものです。
試験実施先である台湾電力の林口発電所向けには、当社が出力80万キロワットの最新鋭の石炭焚き超臨界圧火力発電設備のボイラーと蒸気タービンそれぞれ3基ずつの納入を担当。1号機はすでに商業運転を開始し、2号機は今春に商業運転開始を予定しています。
燃焼調整試験は、元来はベテラン技師がプログラム実行時に設定する複数のパラメーター(指示事項)を調整することにより、排ガス特性、燃焼バランス、蒸気温度特性、ボイラー効率などのプロセス最適化を行うものです。今回の試験では、プロセス値の変化を学習させたAIシステムに調整試験での最適パラメーターを提案させました。その結果、AIが提案するパラメーターがベテラン技師の設定とほぼ同じになることを確認でき、バランスのとれたプロセス値を得ることができました。
当社は引き続き、同発電所におけるボイラーAIシステムの高度化を継続していくとともに、得られた成果をMHPSのデジタルソリューションの一部として、他のお客様にも展開していきます。
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