微粉炭・バイオマス火力発電所においてMHPS-TOMONI®の運用を開始 福島県・相馬エネルギーパークの火力発電設備全体へ適用
◆ O&Mの高度化や自動自律運転を目指したデータ収集・解析法の開発を推進
◆ 顧客と緊密に連携しながら各種アプリケーションを拡張へ
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、微粉炭・バイオマス混焼火力発電所の「相馬エネルギーパーク」(福島県相馬市)で、火力発電設備の運転を最適化する最先端技術を適用したデジタルソリューションサービス「MHPS-TOMONI®」の運用を開始しました。これにより同発電設備における運用および保守(O&M)の高度化や自動自律運転を目指したデータ収集・解析法の開発を進め、安定稼働・運用性の向上を実現するICT(情報通信技術)アプリケーションをさらに充実させていきます。
同発電設備の出力は11.2万kWで、相馬エネルギーパーク合同会社が運営。当社が石炭バイオマス混焼ボイラー、蒸気タービン、排煙脱硝装置ならびに脱硫装置などを製作・供給して、本年3月に竣工(注)したものです。
MHPS-TOMONIには、遠隔監視、異常予兆・早期検知、余寿命診断、設備運用状況・効率監視、機器の最適運用ガイダンス、水質診断、補機電流診断などのICTアプリケーションがあります。これらを微粉炭およびバイオマスを混焼させる同発電設備向けに組み合わせ、さらに脱硝触媒装置の余寿命診断、排煙脱硫装置や電気集じん機の運転監視などを加え、発電設備全体へのICTアプリケーションを提供します。
中長期的には、相馬エネルギーパークに求められる仕様や機能について相馬エネルギーパーク合同会社と緊密に連携しながら、各種アプリケーションを拡張していきます。MHPS-TOMONIの適用により、定期点検間隔の延長を含めたO&Mの最適化、設備の運用改善・性能向上を実現し、全体効率や運用資源の最適化につなげていくことが期待されます。
MHPSは、今後もMHPS-TOMONIの適用拡大をはかり、顧客と一層緊密に連携しながら発電設備の運用最適化を追求することにより、発電所の経済性を高めて顧客の収益力の向上に寄与するとともに、社会の発展に貢献していきます。
- 同発電設備では、10万kW級の大規模微粉炭焚き火力発電設備としては、定格負荷では国内初となる34%前後のバイオマス混焼を、竣工に先立つ試運転段階において実現しました。
以上