平成30年度優秀省エネ機器・システム表彰の「経済産業大臣賞」を受賞 「強制空冷燃焼器システム採用次世代ガスタービン(JAC形)」で
◆ 世界初の技術によりタービン入口温度1,650℃の高温化・最大発電効率64%を達成
◆ 高い効率・環境性と、起動時間短縮など運用性改善を実現
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、主力ガスタービンJ形の最新機種で東北電力株式会社との共同開発による強制空冷式JAC(J-series Air-Cooled)形(強制空冷燃焼器システム採用次世代ガスタービン(JAC形))で、一般社団法人 日本機械工業連合会(日機連)が主催する「平成30年度優秀省エネ機器・システム表彰」の最高位である「経済産業大臣賞」を受賞しました。世界初の強制空冷燃焼器システム技術によりタービン入口温度を1,650℃まで高温化して最大発電効率64%という高い効率・環境性を実現したことなどが高く評価されたもので、2月7日に表彰式が開催されました。
JAC形は、当社が国家プロジェクトで取り組んだ1,700℃級の超高温ガスタービン要素開発の成果も活用して開発当時には世界初となるタービン入口温度1,600℃を実現したJ形をベースに、さらなる高効率化と運用改善をはかったものです。従来の蒸気による燃焼器冷却に代えて新たに東北電力との共同研究により開発した強制空冷燃焼器を採用する「強制空冷燃焼器システム」を搭載しています。
この強制空冷燃焼器システムは、燃焼器車室から抽出した空気を外部クーラーで冷却し、強制冷却空気圧縮機で昇圧、その後、燃焼器の冷却に用いたのち再び車室に戻します。これにより冷却構造を最適化。さらに超厚膜化遮熱コーティング等のタービン翼冷却技術の高度化や高圧力比圧縮機の採用により、タービン入口温度を1,650℃まで高めたことで、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)での発電効率は、在来のJ形に比べ最大で3.2%高まり、省エネ性向上とCO2削減につながります。また、蒸気冷却方式に比べて起動時間を短縮でき、運用性が改善します。
J形ガスタービンは、2009年の市場投入以来国内外で順調に広まっており、その受注累計は57基に達しています。そのうちJAC形は、2016年の市場投入以来業界の新標準を確立。当社高砂工場内の実証設備複合サイクル発電所(通称T地点)において、GTCC運転でも耐久性および信頼性の指標となる運転時間8,000時間を突破して、長時間運転記録を更新し続けています。
MHPSは、今回の受賞を励みに国内外でJAC形を含めたJ形ガスタービンを中核とする次世代発電・コージェネレーション(熱電併給)システムの普及に一層力を注ぎ、世界の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの低炭素化を促進することで地球環境の保全に貢献していきます。
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