中国・製紙大手の理文造紙有限公司向けにH-25形ガスタービン2基受注 東莞工場の6.2万kW級天然ガス焚きコージェネ設備の中核機器として
◆ 自家発電設備として、2020年に運転開始予定
◆ 環境規制強化や天然ガス利用推進を受け、高効率で環境に優しい電力を供給
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、中国の製紙大手である理文造紙有限公司(Lee & Man Paper Manufacturing Ltd.)が本拠を構える東莞市(広東省)の工場向けに、H-25形ガスタービンを2基受注しました。天然ガス焚きコージェネレーション(熱電併給)設備を構成する中核機器となるもので、製紙工場の自家発電設備として、出力6万2,000kWの電力とともに、排熱回収ボイラーを通じてガスタービンの排ガスを活用した製造プロセス用蒸気を最大で毎時150トン供給していきます。運転開始は2020年を予定しています。
今回の受注は、近年当社が中国で相次ぎ獲得しているH-25形ガスタービン関連の受注案件と同じく、造船・船舶機械大手である中国船舶重工グループ(China Shipbuilding Industry Group)の哈爾浜広瀚燃気輪機有限公司(HGGT:Harbin Guanghan Gas Turbine Co., Ltd.)を通じてのものです。在来の受注案件で高い評価を得たことが、今回の受注にも結び付いています。
今回の設備は、H-25形ガスタービン、排熱回収ボイラーなどで構成されるコージェネ自家発電プラントです。当社は、このうちガスタービン主機および補機をHGGT経由で納入。併せて、技術者を派遣して機器の据え付け・試運転の指導を手掛けます。
理文造紙は、2003年に香港で上場しており、中国をはじめアジアで展開する大規模な製紙会社です。工場は、今回ガスタービンを納入する東莞工場のほかに、広州市、江蘇省、江西省、重慶市、およびベトナム南部にあります。東莞工場では現在、石炭焚きボイラーで電力および蒸気を賄っています。今回、中国市場の環境規制強化、天然ガス利用推進を受け、ガスタービン・コージェネに切り替えることで、運営の高効率化と環境負荷抑制につなげることにしたものです。
H-25形ガスタービンは、長時間の運転実績により高い信頼性が確認されたヘビーデューティ型ガスタービン(注)です。1987年の初号機受注以来、180基を超える豊富な実績と運用を誇っています。当社は3月に、HGGTと同じ中国船舶重工グループの企業と技術ライセンス契約(TLA)を締結してH-25形の技術供与にも乗り出しており、中国市場でのさらなるプレゼンス強化が期待されます。
MHPSは、高効率の大容量発電システムから中小型ガスタービンを活用した産業向け省エネシステムまでの火力発電向けフルレンジの製品群を擁しており、トータルソリューションを幅広く提供しています。今後も、大規模電源市場はもちろん、H-25形ガスタービンを代表格とする産業・分散型電源市場向け省エネシステムにおいても積極的な営業を展開、多種多様なニーズに的確に対応し、各国・地域の経済発展と環境負荷低減に貢献していきます。
- 一定の出力を維持して長時間連続運転することを前提として設計されたガスタービンで、手入れがしやすく低い保守頻度で済むことを特徴としています。
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