インドネシア天然ガス焚き50万kWのGTCC発電設備向けガスタービン1基を出荷 ムアラカラン発電所の中核機器として、2020年に運転開始へ
◆ 三菱商事、現地大手土建会社のWIKAとフルターンキー契約で受注
◆ 同国の電源整備計画に大きく寄与、さらなる市場プレゼンス向上へ
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は5月27日、インドネシアの国営電力会社であるPT. PLN(Persero)(PLN社)向けに受注していたM701F形ガスタービン1基の出荷を完了しました。ジャワ島西部に位置するムアラカラン(Muara Karang)火力発電所で稼働する50万kWの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を構成する中核機器となるもので、設備の完成ならびに運転開始は2020年10月の予定です。
同日、製作を手掛けた高砂工場(兵庫県高砂市)では、出荷を記念して式典を開催しました。インドネシア側からは、PLN社で西ジャワ地域の建設を統括するヘンリソン(Henrison)局長(Executive Vice President)、日本側からもプロジェクト関係者が出席。当社からは東澤 隆司(とうざわ・たかし)執行役員らが出席しました。
今回出荷したM701F形ガスタービンを中核とするGTCC発電設備は、当社が三菱商事株式会社および現地の大手土建会社であるPT. Wijaya Karya(Persero)Tbk.(WIKA)とフルターンキー契約で受注。2018年8月に土建工事を開始したもので、首都ジャカルタから約10kmに位置しています。当社はガスタービン1基、蒸気タービン1基ならびに付帯設備一式を供給。発電機は三菱電機株式会社製を採用します。土建工事および据付工事はWIKAが担当します。当社は長期メンテナンス契約(LTSA)も併せて締結しており、運転開始後は遠隔監視や常駐技師の派遣を通じてGTCC発電設備の保守・管理を支援します。
同プロジェクトは、経済成長に伴い急増する電力需要を満たすためインドネシア政府が進める3,500万kWの電源整備計画を受け、首都周辺の西ジャワ地域を中心に大規模な火力発電施設を増強する計画の一つです。運転開始後は首都周辺の旺盛な電力需要に対応することとなります。
当社は、インドネシア市場向けに1971年に蒸気タービンを初めて出荷して以来、現在までおよそ50年にわたり緊密な関係を築いており、当社納入設備の総発電能力は12GWに達しています。このうち、M701F形ガスタービンは、2006年に2基をチレゴン(Cilegon)GTCC発電所に初めて納入。その後、2011年にムアラカラン発電所、2012年にタンジュンプリオク(Tanjung Priok)発電所、2018年に“Jawa-2プロジェクト”にも、それぞれ2基納入しています。
GTCC発電は、ガスタービンでの発電に加え、その高温排ガスを利用して蒸気タービンでも発電ができる高効率発電システムで、当社は同国においてGTCC発電設備を含めた大型ガスタービンでシェアトップを誇っています。
MHPSは、今後もより一層インドネシア電力市場におけるプレゼンスの向上を目指すとともに、高効率発電設備の普及を通じ、エネルギーの低炭素化を促進し、地球環境の保全に貢献していきます。
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