MHPS-IDSが2万kW級バイオマス発電設備3セットを連続受注 国内産業用非再熱火力設備の全面承継による出力別標準化策なども奏功
◆ 福岡県大牟田市内の2発電所向けと大分市内向け、2021年から順次完成へ
◆ 用途に応じ2,000kW級から2万kW級まで4種類をシリーズ化、機動的にソリューション提案
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が100%出資する三菱日立パワーシステムズインダストリー株式会社(MHPS-IDS、社長:牧浦 秀治、本社:横浜市中区)は、バイオマス燃料による2万kW級の標準型発電設備を開発し、バイオマス発電企業2社から3セットの設備を連続で受注しました。株式会社シグマパワー有明(本社:東京都港区)の大牟田第一および第二発電所(福岡県大牟田市新港町)向け、ならびに大分バイオマスエナジー合同会社(本社:大分市)の大分バイオマス発電所(大分市大字日吉原)向けで、それぞれ2021年春から2022年春に順次完成を予定しています。
MHPS-IDSのバイオマス発電設備は、水分や燃料の種類および大気温度が変動しても安定した出力が得られる独自の燃焼方式である気泡流動層タイプのボイラーを採用。ボイラー本体のほか、蒸気タービン、発電機、燃料供給用クレーン、灰処理設備、煙突、冷却水系統設備、電気設備、監視制御装置などを一式そろえ標準化したものです。出力は、今回の2万kW級から、用途などに応じて1万kW級、7,000kW級、2,000kW級までの4種類で構成されます。
株式会社シグマパワー有明向けの2セットは、パームヤシの殻であるPKS(Palm Kernel Shell)の専焼に対応した設計で、発電端出力は2万2,100kWです。一方、大分バイオマスエナジー合同会社向けは、燃料としてPKSに加え地元林業にも配慮して間伐材などの木質チップも混焼でき、発電端出力は2万2,000kWです。3設備ともに、蒸気タービンに軸流排気方式を採用することでタービン建屋のコストを削減した設計で、燃焼空気過剰率を低く抑えるとともに、送風ファンおよび冷却塔ファンにインバーターを搭載して省エネ化をはかっています。
MHPS-IDSは、本年1月1日付でMHPSグループの国内における産業用非再熱(注)火力発電設備事業を全面的に承継し、環境負荷の低いバイオマス火力発電設備についても、顧客の多様な課題解決に向け機動的なソリューション提案を行える体制を整備しています。今回の連続受注も、出力別標準化策をはじめ一連の取り組みが奏功したものといえます。
MHPS-IDSは、非再熱火力設備について受注営業からEPC(設計・調達・建設)遂行および納入後のサービスまで、迅速な取りまとめ能力とトータルソリューション機能を備えた産業用火力発電システム分野における“ホームドクター”として多様な顧客ニーズに的確に応えながら、電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの低炭素化を促進することで地球環境の保全に貢献していきます。
- 非再熱サイクルは、再熱サイクルに対置される方式です。再熱サイクルとは、高圧タービンから出た蒸気をボイラーの再熱器で熱して、次の中低圧タービンに送る仕組みで、再熱しない方式が非再熱サイクルです。多種・多様な燃料を利用するとともに、蒸気と熱を生産プロセスに利用する産業用コージェネレーション(熱電併給)設備では、経済効率が高く地球環境にも優しい非再熱サイクルの火力設備が多く導入されています。
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