80万kW級コージェネ設備向けM501JAC形ガスタービン2基等中核機器を正式受注 カナダのサンコー・エナジー社からオイルサンドの石油抽出用蒸気・電力供給向けとして
◆ アルバータ州北東部のオイルサンド製油所で2023年に運転開始
◆ 石油コークス焚きボイラー設備を代替して効率向上と環境負荷低減狙う、電力は外販
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、カナダの総合エネルギー企業であるサンコー・エナジー社(Suncor Energy Inc.)から、J形ガスタービンシリーズの最新機種である空気冷却方式のM501JAC形および排熱回収ボイラー各2基の正式発注を受領しました。80万kW級の発電能力を備える天然ガス焚きコージェネレーション(熱電併給)設備の中核機器となるもので、同国アルバータ(Alberta)州フォートマクマリー(Fort McMurray)近郊に位置するサンコー・オイルサンド基地(Suncor Oil Sand Base)の石油抽出プロセスに蒸気を供給するとともに外販用電力を発電します。運転開始は2023年後半の予定です。
サンコー・オイルサンド基地では、これまで石油コークス(Petcoke:Petroleum Coke)(注)焚きボイラー設備3基で蒸気を製造してきました。これらをガスタービンと排熱回収ボイラーなどで構成されるコージェネ設備に順次更新することにより、排ガス中に放出する有害物質やCO2を大幅に削減して地球環境負荷を抑制するとともに、高効率で電力を生み出し売電収益の確保を狙います。
本件は、当社米国法人を通じて受注。M501JAC形ガスタービンは、当社の高砂工場で本体部品や補機を製作し、米国法人の生産拠点であるサバンナ工場(ジョージア州)で組み立てを行います。発電機は三菱電機株式会社製を採用します。併せて、当社のデジタルソリューションMHPS-TOMONI®により、効率的な設備運用を支援します。
サンコー・エナジー社は、カナダ国内においてオイルサンド製油所4ヵ所を運営し、オイルサンド由来の石油については世界最大級の生産量を誇り、「Petro-Canada」ブランドのガソリンスタンド約1,500ヵ所を展開。そのほか、同国最大のエタノールプラント運営や風力発電事業にも取り組んでいます。
MHPSは、今回の正式受注を弾みに、北米をはじめ世界各地で最新鋭機であるJ形ガスタービンを中核とする発電・コージェネ設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定確保、ならびに資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していきます。
- アスファルト級の重質油をコーキング装置で処理して熱分解したときの残渣分で、主成分は炭素です。
【参考情報】
発注内示の受領については、2018年5月に発表しています。
以上