サウジアラビアの水素エネルギー供給拠点化構想を支援 首都リヤドで開催の政府系ファンド「未来投資イニシアティブ」イベントに参加
◆ MHPSの六山副社長がパネル討論で、低炭素社会づくりに貢献できる技術などについて説明
◆ 水素社会実現とサウジビジョン2030に向けて、実用的な技術と実績で積極的な支援を提言
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は10月30日、サウジアラビアの首都リヤドで同国政府系公共投資ファンド(PIF:Public Investment Fund)が開催する次世代エネルギーについて議論するパネルディスカッションに参加しました。当社の六山 亮昌(むやま・あきまさ)副社長(CTOパワー&エネルギーソリューションビジネス本部長)が同討論会において、炭素を含まない次世代燃料として期待される水素を活用した社会の実現に向けた取り組みについて発表したものです。
このパネルディスカッションは、29日から31日にわたりリッツカールトンホテルを会場としてPIFが主催する「未来投資イニシアティブ(Future Investment Initiative)」の主要プログラムです。一連のセミナーイベントは、サウジアラビアが「ビジョン2030」で掲げた脱石油依存の経済政策へのアプローチとして開催。世界各国から約4,000人が参加し、次世代の画期的なビジネスへの投資について、活発な議論が交わされました。
同討論会は「次世代のエネルギー業界の展望」をテーマとしており、六山副社長のほかアラブ首長国連邦、エジプト、サウジアラビア、米国のエネルギー関連事業会社、民間投資会社がパネリストとして登壇しました。六山副社長は、水素技術の進化が加速し、水素インフラ・サプライチェーンの最適化が改善されることで、多くの主要国政府・機関におけるエネルギー調達戦略への水素活用の機運が高まっていると指摘。当社が日本だけでなくグローバルなステークホルダーとの協力を通じて進めている、水素を用いた具体的な実証プロジェクトについて説明しました。
六山副社長はさらに、中東向けの発電システムについて展望。低炭素社会をサポートするための技術的ブレークスルーが、CO2排出量の削減のみならず経済成長を持続するうえで非常に重要であり、サウジアラビアなど再生可能エネルギー環境に恵まれた国が商業的に競争力のある水素燃料の供給拠点として、中心的役割を担い続けることが重要であると提言しました。
当社は、新しい変革の時代を迎えつつあるサウジアラビアが持続可能な水素社会の創造というビジョンを達成できるよう支援します。また、同国の電力セクターが100%再生可能エネルギー由来の発電を実現し、風力と太陽光などが抱える電源の不安定性の問題を回避できる実用的アプローチを提言し、ビジョン2030の下で動きだした“サウジギガプロジェクト(注)”に込められた同国の変革への思いを支援します。
MHPSは、すでに30%の水素と70%の天然ガスを混焼する大型ガスタービン技術を確立。オランダでは2025年に運転開始が予定されている44万kWの100%水素焚きガスタービンプロジェクトに取り組んでいます。今回のようなイベントを通じて、水素利活用に向けた需要を喚起し、水素の供給・輸送・貯蔵に関する国際的な水素サプライチェーン構築を牽引することで、水素社会の実現に貢献していきます。
- シリコンバレー開発の「NEOM」、リヤド近郊に娯楽・スポーツ・文化の総合施設を建設する「Qiddiya」、ならびにリゾート地区開発の「Red Sea Project」の3大構想で、いずれも2030年までの達成を目指しています。
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