プレスリリース

最新鋭JAC形ガスタービンを出荷タイの超大型530万kW級ガス複合火力発電所建設プロジェクト向けで初めて

◆ 12月5日にMHPS高砂工場から出荷
◆ J形シリーズの累計運転時間は90万時間に到達、同出力帯の大型ガスタービンで業界をリード

 

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は12月5日、主力ガスタービンJ形シリーズの最新機種であるJAC(J-series Air-Cooled)形の出荷を、当社高砂工場(兵庫県高砂市)から行いました。タイ最大の独立系発電業者(IPP)であるガルフ・エナジー・デベロップメント社(Gulf Energy Development PLC)と三井物産株式会社の合弁事業会社が首都バンコクの近郊で進める天然ガス火力発電所2ヵ所の建設プロジェクト向けとして、昨年2月に受注していた8基のうちの初号機で、総出力530万kWのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)火力発電設備を構成するものです(注1)。

 今回出荷したJAC形ガスタービンは、バンコクの南東約130kmに位置するチョンブリー(Chonburi)県と、ラヨーン(Rayong)県にそれぞれ建設される265万kW級発電所のうちチョンブリー県に位置する発電所向けのもので、商業運転開始は2021年を予定しています。運転開始後は天然ガスを主燃料とし、電力はタイ電力公社(EGAT)に販売され、高効率のクリーン電源として同国の堅調な経済を支えていくこととなります。

 JAC形ガスタービンは、タービン入口温度を高めることで、さらなる高効率化を実現するとともに、最新の空冷システム採用による起動時間の短縮など運用性の改善をはかったものです。CO2排出量の削減に寄与し、排熱利用による蒸気タービン発電とのコンバインドサイクルで65万kW~81万8,000kW(50Hz)の発電能力を備えます(注2)。また、当社は高砂工場内に実証設備複合サイクル発電所(通称T地点)を有しており、そこで99.5%の信頼性を示しつつ、すでに1万1,600時間を超える商業運転を継続しています。

 当社のJ形シリーズ全体の累計運転時間は、2011年に実証運転を開始してから計90万時間に到達しています。これは同出力帯のガスタービンでは業界をリードするものであり、長時間にわたる運転実績から信頼性が確認され、当社の主力機種として世界中で受注活動を優位に進めています。

 MHPSは、持続可能な社会の実現に向けて、高効率GTCCによる低炭素化から水素ガスタービンへと脱炭素化技術の開発に取り組んでいます。水素ガスタービン開発では、すでに30%の水素と70%の天然ガスを混焼する大型ガスタービン技術を確立。2025年にオランダで運転開始が予定されている44万kWの100%水素焚きガスタービンプロジェクトにも取り組んでいます。今後も、環境に優しい発電技術の提供を通して、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱・低炭素化を促進し地球環境の保全に貢献していきます。

JAC形ガスタービン
JAC形ガスタービン

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