お知らせ

インドネシア大学 日本研究センター/国際親善講演

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インドネシアの電力安定供給に貢献する
MHPSの高効率ガスタービン技術


MHPSは2019年10月8日、インドネシアの西ジャワ州デポック市にある国立インドネシア大学で講演。
地球環境に優しい火力発電技術の将来展望について、学生たちと活発な意見交換を行いました。

約150人の学生が集まり、講演は大盛況


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この公開講座は日本とインドネシアの文化交流のひとつとして、国立インドネシア大学・日本研究センターの主催で定期的に行われているもので、今回は在インドネシア日本国大使館を通して講演依頼を受けたものです。当日は在学生や近郊大学の学生など約150人の聴講者が参集。MHPSの正田淳一郎執行役員が「Future Outlook of Environmental Friendly Power Generation」をテーマに、世界的な環境意識の高まりのなかで深刻化するジャカルタの大気汚染問題を取り上げ、解決策のひとつとして環境にやさしい火力発電技術の導入の必要性を訴え、低炭素社会の実現に貢献するMHPSの発電技術を紹介しました。

経済発展と人口増加に伴い、インドネシアの大気汚染は世界最悪に


現在のインドネシアの人口は約2.6億人で世界4位。その人口は年々増え続け、10年後には3億人近くに増加すると予想されています。それに伴い、インドネシア国内における電力需要の拡大も見込まれ、現在の電気使用量が年間2,400TWhのところ、今後10年間で4,400TWhとなるなど、実に年間6.4%のペースで拡大すると予想されています。

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人口増加と経済発展により電力需要が拡大する中、世界各都市の大気汚染指数を調査している民間組織「エアビジュアル」によると、2019年8月、インドネシアの首都:ジャカルタの大気汚染指数は、中国の成都やベトナムのハノイ、モンゴルのウランバートル、アラブ首長国連邦のドバイを超えて世界最悪を記録しました。
世界的には欧米を中心に風力や太陽光といった再生可能エネルギーへのシフトが進んでいますが、インドネシアは大小約1万7,500もの島々からなる国土の特性、日照、風量も少ないこともあり、再生可能エネルギーを導入できるエリアが限定されるという現実があります。

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インドネシアで広がる天然ガスの発電への活用


インドネシアは、石油をはじめ、天然ガス、石炭などのエネルギー資源が豊富にあります。その中でもクリーンな火力発電燃料として天然ガス(LNG)が注目を浴びています。その理由として、天然ガスが安定的に入手可能であることと、火力発電燃料の中で、燃焼時のCO2や窒素酸化物(NOx)発生量が少なく、硫黄酸化物(SOx)や煤塵もほとんど発生しないということが挙げられます。

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講演では環境にやさしい火力発電技術の必要性を訴えました


講演では、深刻化するジャカルタの大気汚染問題、再生可能エネルギーが展開しにくい国土の特性を取り上げ、その解決策のひとつとしてインドネシアに豊富にある天然ガスを有効活用して発電を行うガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電などとの共存を図ることの必要性を解説。またインドネシアにおけるこれまでのMHPSの電力事業への取り組みの歴史などを紹介しました。

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ジャワ-バリ地域総発電量の30%をMHPSの火力発電設備が供給


MHPSは、インドネシア市場向けに1971年に蒸気タービンを初めて出荷して以来、現在まで約50年にわたる緊密な関係を築き、同国の安定した電力供給整備の一翼を担い続けています。半世紀にわたる信頼と実績の積み重ねにより、現在ではジャワ-バリ地域全体における総発電能力の30%以上を当社納入設備が供給するに至っています。この事実を知ったとき、学生たちの間で感嘆の声が上がり、MHPSに対して親近感を感じてくれたようでした。

 
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As of October 2019

ガスタービンの仕組み、熱効率改善の歴史
水素ガスタービンなどの次世代技術を紹介


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こうしたインドネシアでの実績を可能にしたのが、当社が世界市場で技術的優位性をもつガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電をはじめとした高効率ガスタービン技術。講演ではガスタービンの構造・仕組みや開発の歴史を説明するとともに、当社の強みである高砂工場でのガスタービンの研究開発・設計・製造・実証の一貫した開発体制について説明しました。
また、再生可能エネルギーの負荷変動に対応した急速起動ガスタービンの開発状況や固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発状況、ゼロエミッション社会に向けたCO2を排出しない水素ガスタービンの開発状況などイノベーションの核心とこれからの将来技術の展望について紹介しました。

Q&Aセッションでは学生からの質問も活発に


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講義の後に設けられた学生たちからの質問コーナーでは、MHPSについてのこと、インドネシアの発電の課題、将来的に水素燃料を導入するにあたっての課題など活発な質問が出され、それに対する正田執行役員の回答を熱心にメモする学生の姿も多く見受けられました。

インドネシアへの電力供給、低炭素化社会の実現をMHPSは技術でサポートします


最後には、インドネシア大学から正田執行役員へ講義を行った「証書」が手渡され、講演要請を受けてくれたことに対して大変感謝をいただきました。また、在インドネシア日本国大使館からは、「これを機にさらにMHPSと協力をしていきたい」とのうれしいコメントを頂きました。MHPSは、今後も環境にやさしい発電技術を提供することにより、インドネシアの科学技術の発展に貢献するとともに、エネルギーの低炭素化を促進し、同国の環境保全にも寄与していきます。

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