プレスリリース

高砂工場内に新GTCC実証発電設備(第二T地点)が完成
次世代1,650℃級JAC形ガスタービンの長期実証運転を開始

発行 第 318号

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、高砂工場(兵庫県高砂市)構内に新たに建設した実証設備複合サイクル発電所第2号発電設備(通称:第二T地点)において、発電設備としての機能確認を全て完了し、7月1日より長期実証運転を開始しました。

 第二T地点は、次世代高効率ガスタービン(JAC形(注1))と、新開発の高効率蒸気タービンを組み合わせた、出力56.6万kWの最新鋭ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備です。本年4月2日付の定格運転状態(ガスタービン入口温度1,650℃、コンバインド出力56.6万kW)の到達についての発表(注2)後も、発電プラントとしての運用に必要な試験・調整を続けてきました。JAC形ガスタービンの採用により、GTCCとしての発電効率は、世界最高クラスの64%に達しますが、その根幹となる新開発技術の検証のために、試運転中は、通常の計器による計測以外に、数千点にも及ぶ膨大な計測を追加しオンラインで監視、評価を行いました。

 このたび、新開発技術の検証と発電プラントとしての機能確認が完了したことから、次のステージとして、地域の電力網に接続された状態で、実際の火力発電所と同じ運用を行いながら、長期的な信頼性検証を行っていきます。今後の運転では、ガスタービンや蒸気タービンなどのハードウェアの検証に加えて、デジタルソリューション「MHPS-TOMONI®」に搭載された各種アプリケーションを用いて、発電プラント運用の最適化についての検証も進め、将来的には、自動自立運転の実現を目指していきます。

 MHPSは、長期実証運転を開始した第二T地点を活用しながら、次世代技術の開発検証を加速し、高い信頼性で環境にやさしいGTCC発電設備を世界に供給することで、世界の電力安定供給と低・脱炭素化社会の実現へ向けて貢献していきます。

  • 1JAC形:J-series Air-Cooledガスタービン
  • 2第二T地点での定格出力達成のプレスリリース(2020年4月2日発表)

【参考情報】
実証設備複合サイクル発電所(第二T地点)の概要を当社ウェブサイトで公開中です。
詳しくは以下をご覧ください。

新たに長期実証運転を開始した第二T地点(写真手前)

以上