プレスリリース

CO2吸収装置や処分場による石炭灰等のCO2固定および資材化に関する技術開発を開始 ~「石炭灰およびバイオマス灰等によるCO2固定・有効活用に関する要素技術開発」がNEDOの研究開発委託事業に採択~

一般財団法人電力中央研究所
三菱パワー株式会社
東洋建設株式会社
一般財団法人石炭エネルギーセンター

一般財団法人電力中央研究所(東京都千代田区、理事長 松浦 昌則、以下、電中研)、三菱パワー株式会社(神奈川県横浜市、取締役社長 河相 健、以下、三菱パワー)、東洋建設株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 武澤 恭司、以下、東洋建設)および一般財団法人石炭エネルギーセンター(東京都港区、会長 北村 雅良、以下、JCOAL)は、石炭灰・バイオマス灰等を対象に、以下の技術開発に取り組みます。

  1. CO2吸収装置によるCO2固定システムの構築
  2. 処分場を活用したCO2固定システムの構築
  3. 炭酸塩化灰の資材化に向けた基礎製造技術の開発

本件はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託事業に応募し、採択されました。本委託期間は2020年度から2021年度の2年間です。

国内で発生する多様な廃棄物のうち、石炭灰、バイオマス灰等といった燃焼灰の多くは、カルシウムやマグネシウムといったアルカリ性を示す金属イオンを含んでいます。これらのアルカリ成分は、CO2と反応し、安定な炭酸塩を形成します。
本研究開発では、「CO2を炭酸塩化する技術」を将来有望なカーボンリサイクル技術の一つと捉え、その要素技術確立のための共通基盤技術開発を推進するべく、以下の内容を実施することで、燃焼灰を用いたCO2固定システムの構築、および炭酸塩化した燃焼灰の活用に向けた技術開発を行います。

① CO2 吸収装置によるCO2固定システムの構築(図1)(分担:三菱パワー)

燃料種毎に異なる各種灰の性状に応じたCO2吸収装置の設計仕様の作成に向けた研究開発を実施する。

  • 燃料種の異なる石炭灰・バイオマス灰等を対象としたCO2固定能と反応速度の評価
  • 反応プロセスの検討
  • 重金属等化学物質の動態に関わる検討

② 処分場を活用したCO2固定システムの構築(図2)(分担:電中研、東洋建設)

処分場をCO2固定リアクターとみなしたCO2吹込み方法の検討およびCO2固定に伴う処分場の早期安定化に向けた処分場浸出水の水質予測・処理に関わる研究開発を実施する。

  • 処分場内でのCO2固定を想定した炭酸塩化に適したCO2濃度・圧力の検証
  • 炭酸塩化に伴う重金属等の溶出メカニズムの解明
  • 保有水(埋立物の接触水)の処理方法の確立

③ 炭酸塩化灰の資材化に向けた基礎製造技術開発(図3)(分担:JCOAL)

炭酸塩化灰を用いた資材の製造に関わる基礎技術の開発に向けて研究開発を実施する。

  • 炭酸塩化灰の適用用途調査
  • 利用用途に応じた固化方法の検討と安定性の検討

各社は、発電等に伴って発生するCO2を資源として捉え、産業副産物を用いてこれを活用する技術開発を通じて、低炭素・循環型社会の実現ならびにSDGsの達成に向けて貢献してまいります。

図1 「① CO2吸収装置によるCO2固定システムの構築」の開発要素と概念図
図1 「① CO2吸収装置によるCO2固定システムの構築」の開発要素と概念図
図2 「② 処分場を活用したCO2固定システムの構築」の開発要素と概念図
図2 「② 処分場を活用したCO2固定システムの構築」の開発要素と概念図
図3 「③ 炭酸塩化灰の資材化」の開発要素と概念図
図3 「③ 炭酸塩化灰の資材化」の開発要素と概念図

以上


三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 モビリティの電化・知能化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: