セルビアで世界最大級の排煙脱硫装置(FGD)2基を新たに受注 最大出力134万kWのニコラ・テスラB石炭火力発電所向け
◆ 同国でのFGD受注は2017年に次いで2件目、西バルカン諸国では3件目
◆ 排煙処理によりSO2と煤じんの排出を削減、同国のEU加盟を視野に環境基準への適合に寄与
三菱パワーは、セルビア共和国のニコラ・テスラB(Nikola Tesla B)石炭火力発電所向けに、世界最大級の排煙脱硫装置(FGD:Flue Gas Desulfurization)2基を新たに受注しました。当社が同国でFGDを受注するのは2017年9月の二コラ・テスラA石炭火力発電所向けに次いで2件目で、西バルカン諸国では2016年7月に受注したボスニア・ヘルツェゴビナのウグレヴィック(Ugljevik)石炭火力発電所向けを含めて3件目となります。
今回受注したFGDは、1基あたり出力67万kW規模の排煙を処理することが可能で、2024年中の運転開始を予定しています。現在工事中の二コラ・テスラA発電所の2基と合わせ、二酸化硫黄(SO2)と煤じんの排出を一層削減することが可能となり、将来の欧州連合(EU)加盟を視野に入れた環境基準への適合に寄与します。
ニコラ・テスラB発電所は、首都ベオグラードの南西約60km、同国最大の発電所である二コラ・テスラA発電所の西約20kmに位置し、セルビア電力公社(Public Enterprise Electric Power Industry of Serbia)が運営しています。今回受注した2基のFGDは、同発電所の最大出力134万kWすべてを担う1、2号機向けとなります。
当社は、現地企業であるJUZNA BACKA(ユジナ・バチカ)、GOSA MONTAZA(ゴシャ・モンタージャ)、EXING (エクジング)の3社との間でコンソーシアムを形成しました。当社がプロジェクトマネジメント、基本設計および主要機器の納入・据付までを手掛け、パートナー企業は現地調達・土建・据付工事を行います。FGDの設計および取りまとめは、当社呉工場(広島県呉市)で行います。
二コラ・テスラB発電所は、ニコラ・テスラA発電所と同様、硫黄含有率や灰分が高く発熱量が低い褐炭を燃料としており、当社FGDを追設することでSO2と煤じんを削減します。SO2は排出量の96%を削減し、EUの新産業排出指令(IED:Industrial Emissions Directive)基準に適合する130mg/Nm³(注)以下に抑制します。当社が有する褐炭焚きボイラー向けFGDの技術や、全世界で300基以上となる納入実績が高く評価され、今回の受注につながりました。
三菱パワーは今後も、排出規制強化の流れに伴い需要拡大が見込める欧州地域をはじめとする世界市場で、高性能かつ高効率な脱硫・脱硝システムや集塵機、また、これらを組み合わせた総合排煙処理システム(AQCS:Air Quality Control System)を積極的に提案し、環境負荷低減に貢献していきます。
- 温度・圧力の変化により体積が変化する気体(ガス)を、標準状態(0℃、1気圧)に換算した際の体積を表す単位です。
以 上
三菱重工グループについて
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