プレスリリース

タイの超大型複合火力発電所プロジェクトでM701JAC形GTCC初号機が運転を開始 
現地IPPガルフ・グループと三井物産の合弁企業向け、2カ所の総出力530万kW規模

◆ チョンブリー県で合弁会社ガルフSRC社が運営、東南アジアでM701JAC形ガスタービンは初
◆ 新型コロナウイルス感染症による影響が広まるなか、関係者の連携で納期を遵守

三菱パワーは、タイ最大の独立系発電業者(IPP)であるガルフ・エナジー・デベロップメント社(Gulf Energy Development PCL)と三井物産株式会社の合弁事業会社が進める天然ガス火力発電所2カ所の建設プロジェクトで、全構成設備のうち初号機を完工、3月31日に運転開始を迎えました。2018年に、M701JAC形ガスタービン8基で構成される総出力530万kWのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)火力発電設備をフルターンキー契約で受注し、併せて25年間の長期メンテナンス契約(LTSA)も締結しています。累計運転時間130万時間超、これまでに世界で83台の受注実績を誇るJ形およびそれをさらに進化させたJAC形ガスタービンにおいて、本プロジェクトは東南アジアにおけるM701JAC形の初受注事例であり、今後、2024年に予定される全8号機での運転開始に向けて建設工事を進めていきます。

両発電所は、いずれも首都バンコクの南東約130kmに位置しており、チョンブリー(Chonburi)県と、ラヨーン(Rayong)県に建設されているもので、出力はいずれも265万kWです。天然ガスを主燃料とし、電力はタイ電力公社(EGAT)に販売され、高効率のクリーン電源として同国の電力の安定供給に貢献していくことが期待されます。

今回初号機が運転を開始したのはチョンブリー県の発電所で、合弁事業会社のガルフSRC社(Gulf SRC Company Limited)(注)が運営しています。世界的に新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、機器の納入・据え付けなどに係る物流や指導員派遣などに支障が出るなかで、関係者の努力や連携により予定通りの運転開始を実現しました。

今回の運転開始に際して、ガルフ・エナジー・デベロップメント社の副CEOであるPorntipa Chinvetkitvanit氏は次のように述べています。「コロナ禍の中、三菱パワー関係者の尽力により、当初のスケジュール通りに初号機の運転開始を迎えられたことを評価します。今後も同社がプロジェクト・マネジメント能力を発揮し、全号機が予定通りの納期で完工することを期待します」。

また、三菱パワーの現地法人Mitsubishi Power(Thailand)Ltd.の社長である西川 幸治は「高効率かつ信頼性に優れた当社の最新鋭ガスタービンの供給を通じて、タイの持続可能な経済発展に貢献できることを大変嬉しく思います。引き続き、全号機の運転開始に向けて邁進し、同国の安定的な電力供給を支えていきます」と述べています。

本プロジェクトにおけるGTCC発電設備は、発電所当たり4系列で、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機などそれぞれ4基で構成されます。当社はガスタービン、蒸気タービンなどを製作・供給、発電機は三菱電機株式会社が供給します。

当社は2011年にも、ガルフ・エナジー・デベロップメント社が出資する事業会社から、ノンセン(Nong Saeng)ならびにウタイ(U Thai)両GTCC発電所の建設をフルターンキー契約で受注し、いずれも2014年と2015年に商業運転を開始しました。また、昨年にも同社が出資するヒンコンパワー社(Hin Kong Power Company Limited)からM701JAC形ガスタービン2基で構成されるGTCC発電設備を受注するなど、タイの大型ガスタービン市場で確固たる実績を積み重ねています。

三菱パワーは、引き続き両発電所の完成に向け全力で取り組むとともに、最新鋭機であるJ形ガスタービンの普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定確保、ならびに資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していきます。

  • ラヨーン県の発電所は、Gulf PD Company Limitedが運営しています。
チョンブリー県 ガス複合火力発電所 初号機
運転開始式典の様子

以上