国立インドネシア大学で「環境に優しい火力発電技術の将来展望」について講演
◆ MHPSの正田執行役員が低炭素社会に貢献できる高効率ガスタービン技術などについて説明
◆ 将来にわたり、インドネシアの科学技術発展および環境保全に貢献へ
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は10月8日、インドネシアのデポック市(Depok、西ジャワ州)にある国立インドネシア大学で、地球環境に優しい火力発電技術の将来展望について講演しました。同国に対するCSR活動の一環で、当社の正田 淳一郎執行役員が同大学の公開講座において、発電技術の世界的な潮流を踏まえ、インドネシアの科学技術の発展の一助となるよう説明したものです。
この公開講座は、日本-インドネシアの文化交流の1つとして、同大学・日本研究センターの主催で定期的に行われているもので、同大学のほか近郊大学の学生などを主な対象としています。今回は、昨今の世界的な環境意識の高まりを受け、「Future Outlook of Environmental Friendly Power Generation - Solutions for Low Carbon Society」をテーマに、MHPSが在インドネシア日本国大使館を通じて講義依頼を受けたものです。正田執行役員は、当社のターボマシナリー本部副本部長兼ガスタービン技術総括部長であり、会場には多数の聴講者が参集しました。
講演では冒頭、首都ジャカルタの大気汚染状況が世界でも劣悪となっている事実を指摘。解決策の一つとして「環境に優しい発電技術の導入」を挙げ、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーと、同国で豊富に産出される天然ガスなどの発電資源を有効活用したガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電や石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)との共存をはかることが一番の近道であることを、わかりやすく解説しました。
さらに、当社が世界市場で技術的優位性をもつ高効率ガスタービン技術について、研究開発、設計、製造、実証のプロセスを一貫して当社高砂工場(兵庫県高砂市)で行い、各プロセス間での迅速なフィードバックを可能とすることで、ガスタービンが高い信頼性を保ち、電力の安定供給に貢献していることを説明しました。併せて、高砂工場内には、次世代ガスタービン開発を行う実証発電設備を2020年中の運転開始に向けて現在建設中であることや、ゼロエミッション社会に向けたCO2を排出しない水素ガスタービンの開発状況などイノベーションの核心と、これからの将来技術の展望について紹介しました。
当社は、インドネシア市場向けに1971年に蒸気タービンを初めて納入して以来、現在まで50年を超えて緊密な関係を築いており、当社納入設備の総発電容量は建設中のものも含めて約20GWに達しています。このうち、M701F形ガスタービンは、2006年に2基をチレゴン(Cilegon)発電所に初めて納入。その後、ムアラカラン(Muara Karang)発電所、タンジュンプリオク(Tanjung Priok)発電所、2018年に“Jawa-2プロジェクト”にも納入実績を重ねており、当社は同国においてGTCC発電設備を含めた大型ガスタービンでシェアトップを誇っています。
MHPSは、今後も環境に優しい各種発電技術を提供することにより、インドネシアの科学技術の発展に貢献するとともに、エネルギーの低炭素化を促進し、同国の環境保全にも寄与していきます。
【参考情報】
10月9~11日に開催される総合電力見本市「第74回インドネシア電力の日」には当社も出展します。詳しくは10月3日付の当社お知らせをご確認ください。
以上