モロッコの超々臨界圧石炭火力発電所向け蒸気タービン、発電機各2基を受注 韓国の建設大手、大宇建設から
モロッコの超々臨界圧石炭火力発電所向け蒸気タービン、発電機各2基を受注 韓国の建設大手、大宇建設から
発行 第 26号
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、三井物産株式会社などがモロッコで推進するサフィ(Safi)超々臨界圧石炭火力発電所(注)(出力69万3,000キロワット×2基)の建設プロジェクト向けに、蒸気タービンおよび発電機各2基を受注しました。EPC(設計・調達・建設)を担当する韓国の建設大手、大宇建設を通じて納入するもので、運転開始は1号機、2号機とも2018年の予定です。
サフィ超々臨界圧石炭火力発電所は、三井物産とフランスの大手電力会社GDFスエズ社(GDF SUEZ S.A.)およびモロッコの政府系投資会社ナレバ社(Nareva Holding S.A.)が合弁で設立した事業会社、サフィ・エナジー・カンパニー(Safi Energy Company S.A.)が、カサブランカの南西250キロメートルのサフィ近郊に建設する出力計138万6,000キロワットの最新鋭発電所です。
アフリカで超々臨界圧発電所が建設されるのは今回が初めてで、運転開始後は長期売電契約に基づきモロッコ国営電力・水公社に電力を供給し、増大する同国の電力需要に対応する計画です。
当社は超々臨界圧発電所の主要機器となる蒸気タービン、発電機を供給するほか、技術者を派遣し、現地でのトレーニングに当たります。
当社は、世界最高水準の発電効率を実現し、併せて、CO2排出量も抑制する超々臨界圧石炭火力発電設備で豊富な実績を有しています。
今後も、この優れた技術を活用して、石炭火力発電設備の需要増加が期待されるアフリカ、東欧、中南米、東南アジアなど広範な国・地域で積極的な営業を展開し、電力安定供給と環境負荷低減の両面で貢献していきます。
- 超々臨界圧:通常(大気圧=1気圧)の環境では水は100℃で沸騰し、それ以上の温度・圧力にはなりませんが、圧力を高めれば沸騰する温度が100℃以上になり、さらに圧力を高めて374℃、22.12MPa(大気圧の約220倍)に至ると、水は沸騰せずに水蒸気に連続して変化するようになります。これを臨界点と呼び、それよりも圧力が高い状態、大気圧の約250倍で温度を566℃まで高めた状態を超臨界圧と呼び、593℃まで高温にした状態を超々臨界圧と呼びます。近年、発電効率を高めるため、超々臨界圧の蒸気タービンやボイラーなどの需要が高まっています。
以上