2015年 西澤社長 年頭挨拶(要旨)
三菱日立パワーシステムズ株式会社
取締役社長 西澤隆人
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が発足して間もなく1年が経とうとしています。この間を振り返ると、統合した2つの会社の相互理解が深まり、シナジーが軌道に乗りつつあると感じています。具体的には、受注、技術、コスト競争力のそれぞれにおいてシナジーの成果を得つつあり、さらには、総合エンジニアリングのシナジーについても、長崎、呉、高砂、日立の各工場が一致団結して復旧工事に取り組み、早期完了にその力を発揮しました。
さて、MHPS発足2年目となる2015年度は、新たな中長期計画(2015事業計画)がスタートする重要な年です。当社を取り巻く市場環境は国内外とも厳しいものがありますが、2017年度に1.7兆円、2020年度に2兆円の受注という目標を達成するため、今年度はとくに「シナジーの成果を結果に表わすこと」、「各事業と生産拠点の全体最適化をはかること」、「サービス事業を強化拡大すること」の3点に取り組んでいきたいと思います。
第一の「シナジーの成果を結果に表わすこと」についてですが、現在、私たちが手にしつつあるシナジーの成果は、それを受注や収益などの具体的な数値に反映できなければ、会社としては意味がありません。そのため、昨年、各SBU(注)、工場、グループ会社ごとに達成すべき数値目標を示しました。今年3月にはその結果が出るわけですが、未達の部分についてその改善に積極的に取り組み、より強い会社に成長していきたいと思います。
また、高効率のガスタービン・コンバインドサイクル発電設備(GTCC)や石炭ガス化複合発電設備(IGCC)などのコア技術・製品をしっかりと育てるとともに、そのコア製品を上手に組み合わせ、EPC(設計・調達・建設)を含むソリューションを顧客に提案していくことも大切です。それがエンジニアリングの力であり、この力こそ、競合他社を凌駕する当社の強みです。自信を持ってこの強みを発揮していきましょう。
第二は「各事業と生産拠点の全体最適化をはかること」です。競合他社との激しい戦いに打ち勝っていくためには、全体最適をはかり、競争力のある体制を構築していくことが不可欠です。海外のグループ会社を含めたグローバルな視点に立って、どのような体制で進めていくことが全体最適になるかを考え、実行に移していきたいと考えます。皆さんは、国内外のすべての工場、すべてのグループ会社を自分の工場、自分の会社と思い、常に全体最適に注力して頂きたいと思います。また、全体最適のためには国内外のグループ会社の統合も積極的に推進したいと思います。
第三は「サービス事業を強化拡大すること」です。今回の統合により、国内外の発電所に納めた当社製品は倍増しており、サービス事業の大きなシナジーが期待できますが、長期保守契約(LTSA)のスコープの拡大や、他社製品へのサービス推進も含め、サービス事業の拡大に挑戦したいと思います。この挑戦を通して、現状の受注を倍増し、近い将来には1兆円事業を目指したいと考えます。
また、当社は、ICT(情報通信技術)を活用したリモ-トモニタリングによる多様な保守サービスを行っていますが、将来的には、遠隔監視・制御、運転・保守サービス、一括集中管理などを含む総合サービスの提供を目指します。さらに、通常の運転管理(O&M)ビジネスなど既存のサービス事業を超えた新機軸のサービス事業も開拓していきます。
以上の3点が、今年皆さんとともに特に取り組みたい内容です。厳しい時こそ真の実力が発揮されます。統合2年目を充実した年とするために、自分の力を信じ、臆することなく挑戦し続けましょう。
- SBU(Strategic Business Unit)=戦略的ビジネスユニット、企業における事業計画立案の組織単位
以上
三菱重工グループについて
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長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 モビリティの電化・知能化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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