超臨界圧石炭焚きボイラー2基を受注 インド国営火力発電公社Tanda石炭火力発電所向け
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)のインド合弁会社であるL&T- MHPSボイラー社(L&T- MHPS Boilers Private Limited)は、インド国営火力発電公社(NTPC Limited:NTPC)が新設する、タンダ(Tanda)超臨界圧石炭火力発電所1、2号機向け出力各66万キロワットの超臨界圧ボイラー2基を受注しました。運転開始は1号機が2018年7月、2号機が2019年1月の予定。これにより、インド向け超臨界圧ボイラーの受注累計は11基となります。
今回の超臨界圧ボイラー2基は、MHPSとインド建設・重機最大手のラーセン・アンド・トウブロ(Larsen & Toubro Limited:L&T)との合弁会社であるL&T- MHPSボイラー社が製作 / 供給から現地据付 / 試運転まで担います。当社は、大型ボイラー2基の中核となる耐圧部をL&T- MHPSボイラー社に供給します。
発電所は、NTPCがインド北部のウッタル・プラデシュ(Uttal Pradesh)州タンダ地区に建設するもので、運転開始後は、増大する地域の電力需要を支えることとなります。
NTPCは、国内発電シェア約25パーセントを占めるインド最大の電力事業者です。1975年の設立で、火力発電の建設・運営・コンサルティングなどのほか、水力発電の開発なども手掛けています。
インドでは、経済発展に伴う電力需要の急増により、電力の需給ギャップが顕在化しており、一部の地域では電力不足が深刻化しています。そのため、大規模な電源開発計画が次々に打ち上げられていますが、今回のプロジェクトもその一環です。
当社は、高い発電効率を実現するとともに、CO2排出量も抑制する超臨界圧および超々臨界圧石炭火力発電分野で豊富な実績を有しています。
今後も、この優れた技術を活用して、石炭火力発電設備の需要増加が期待されるインドをはじめとする広範な国・地域で、電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していきます。
- 超臨界圧:通常(大気圧=1気圧)の環境では水は100℃で沸騰し、それ以上の温度・圧力にはなりませんが、圧力を高めれば沸騰する温度が100℃以上になり、さらに圧力を高めて374℃、22.12Mpa(大気圧の約220倍)に至ると、水は沸騰せずに水蒸気に連続して変化するようになります。これを臨界点と呼び、それよりも圧力が高い状態、大気圧の約250倍で温度を566℃まで高めた状態を超臨界圧と呼び、593℃まで高温にした状態を超々臨界圧と呼びます。近年、発電効率を高めるため、超臨界圧および超々臨界圧のボイラーや蒸気タービンなどの需要が高まっています。
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