三菱パワーの4プロジェクトが「エンジニアリング功労者賞」を受賞
国際協力や環境貢献、エンジニアリング技術向上などで高い評価
国際協力や環境貢献、エンジニアリング技術向上などで高い評価
◆ 「国際貢献」2案件、「環境貢献」と「中小規模プロジェクト」各1案件
◆ エンジニアリング各分野で功績のあった個人またはグループを対象に毎年表彰
三菱パワーは、ウズベキスタンとケニアでそれぞれ手掛けた発電所プロジェクト、舶用脱硫装置スクラバー(排ガス浄化装置)プロジェクトおよびSOFC(Solid Oxide Fuel Cell:固体酸化物形燃料電池)商用化プロジェクトの計4案件について、一般財団法人エンジニアリング協会(東京都港区、永松 治夫理事長)から「第40回エンジニアリング功労者賞」の表彰を受けました。これまでの優れた功績や今後の展開などについて高く評価され、「国際貢献」の表彰区分で2案件、「環境貢献」および「中小規模プロジェクト」の表彰区分でそれぞれ1案件ずつ受賞したものです。
この表彰は、国際協力、エンジニアリング技術の向上、環境貢献、協会活動の貢献など、エンジニアリング各分野で功績のあった個人またはグループを対象に行われます。エンジニアリング能力の向上・技術開発の推進など幅広い事業を行うことを目的とする同協会が、1981年度から年に1回表彰を実施しており、今年で40回目を数えます。国際貢献は、海外におけるエンジニアリングを通じた貢献活動に対して、環境貢献は、エンジニアリングを通じて環境問題の改善に大きく貢献した活動に対して、中小規模プロジェクトは、新規性があり、きらりと光る技術や案件に対してそれぞれ贈られ、本年度は5つの表彰区分において23のグループと2人の個人が選出されました。
三菱パワー受賞案件の概要(計4案件)
今回、国際貢献を受賞したのは、「ウズベキスタン トゥラクルガン・ナヴォイ-2 GTCC発電所プロジェクトチーム」と、「ケニア オルカリア5号地熱発電所プロジェクトチーム」の2案件です。
このうち前者は、ウズベキスタンの逼迫する電力事情を改善するため、同国東部のナマンガン州トゥラクルガン地区および中部のナヴォイ州ナヴォイ市に天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所をそれぞれ建設した、三菱商事株式会社と当社のコンソーシアムによるフルターンキープロジェクトです。最新鋭設備の導⼊により、電力の安定供給に貢献するとともに発電効率を向上し、CO2排出量の抑制など環境負荷の軽減にも寄与しました。
一方、後者は、ケニアの経済成長を安定的・持続可能なものとするため、都市エリアにおける電力需給の逼迫を緩和するとともに、再生可能エネルギー由来の電力供給を増強して気候変動への影響を緩和する目的で、三菱商事や当社などが参画するコンソーシアムによりオルカリア5号地熱発電所を建設したものです。同発電所の営業運転開始により、世界第9位の地熱発電能力保有国だったケニアは、アイスランドを抜いて世界8位となりました。
また、環境貢献を受賞した「超大型コンテナ船向け 舶用脱硫装置スクラバー初号機完遂プロジェクトチーム」は、地球環境保全のため、船舶による海洋汚染防止について2020年1月より排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)に対する規制強化が図られていることを受け、特に排気ガスの排出量が多い超大型コンテナ船を対象に舶用脱硫装置角型スクラバーを開発したプロジェクトです。当社が持つ陸用火力発電所の脱硫装置技術と、同じく三菱重工グループの三菱造船株式会社が持つ船舶エンジニアリング技術を融合しており、コンテナロスを最小限にできる角型の採用、排出基準を確実に上回る脱硫性能の確保、グループ会社同士の連携による、営業活動から開発、設計、試運転、アフターサービスまでの対応などを行いました。
さらに、中小規模プロジェクトを受賞した「SOFC(固体酸化物形燃料電池) MEGAMIE 商用化チーム」は、当社が開発して2017年から市場投入を始めた「MEGAMIE(メガミー)」の技術が評価されました。具体的には、国内納入済みの商用機ユニットが現在まで安定稼働を続けており低炭素社会づくりに貢献している点や、SOFC単体ではなくマイクロガスタービンを組み合わせたハイブリッドシステムとして構成され、より高効率な発電が可能である点、燃料種としては都市ガスに限らず純水素や都市ガスと水素の混合燃料も適用可能であり、余剰な再生可能エネルギーによる水の電気分解などで生成した水素を発電に利用する“水素利用発電システム”として運用可能である点、将来的にバイオ燃料の適用も計画している点などが評価されました。
三菱パワーは今回の受賞を励みとし、世界市場における地熱発電機器・設備の提案や、海上物流へのエンジニアリングサービスの提供、革新的な発電技術とソリューションなどを通じ、環境負荷の低減や持続可能な脱炭素社会の実現などといった、地球規模の課題解決に引き続き取り組んでいきます。
以上