ボイラーチューブリークデテクタ
概要
ボイラーチューブリークデテクタは、ボイラー火炉水冷壁・過熱器・再燃器などの噴破による高圧蒸気または高圧水のリークを早期に発見し、お客様のボイラーの損傷を最小限にとどめることができます。
特長
微少リーク状態の検知
チューブリーク発生の有無を連続自動監視しており、パトロール員が現場で聴音確認できない微少リーク状態をすぐに検知できます。
ボイラー停止期間、修理費用の低減
噴破による管の損傷を最小限にとどめることにより、ボイラー停止期間の短縮や修理費用の低減ができます。
停止期間の適切な判断
リーク発生時の傾向を監視することで、ユニット停止期間の適切な判断を行う事ができます。
多種の燃料ボイラーへの適用と容易な取り付け
多種の燃料ボイラーに対応しており、また、ボイラーへの検出器取り付けが容易です。
センサの設置台数の目安は、以下の通りとなります(注)。
- 詳細は別途お打ち合わせにより決定します
用途 | 台数 |
---|---|
事業用 | 20~30台程度 |
自家発用 | 10台以内程度 |
原理
破孔によるリークで発生する振動は、通常運転で発生している振動(暗振動)と周波数が異なることから、ボイラー炉壁の振動を常時モニタリングすることで、ある周波数帯における振動レベルが規定値を超えた場合にリークと判断します。
理論上のリーク検出能力(注1)は以下の通りとなります。
暗振動レベルはボイラー構造や、センサ取り付け位置などにより変化します。
また、リークレベルは噴破方向・角度及び噴射媒体の衝突有無などにより変化します。
圧力 | 10.19kg/cm²(1MPa) |
---|---|
噴孔径 | 直径5.0mm |
センサとの距離 | 約10m |
- 1500MWクラスボイラでの評価結果
システム構成
基本的なシステム構成
振動式チューブリークデテクタは、ボイラー炉壁に取り付けて破孔からの漏洩によって発生する振動を検知する「加速度センサ」、その加速度センサから得られた振動の電気信号を周波数分析して、漏洩発生の有無をモニタ表示させる「PLCシステム」で構成されます。
チューブリークデテクタ盤
本装置は1面につき最大32台のセンサの信号入力・処理が可能です。各センサの振動値はレベルに応じ色分けして盤内に設置された表示用PCのモニタ画面に表示されるため、リークが発生した場所に近いセンサを容易に特定できます。またチューブリークデテクタ盤は、他装置とハード信号や通信信号によるインターフェースが可能です。
センサ
各センサは、「導波棒」と「振動センサ」で構成されます。センサの配置、個数はボイラーのサイズ、伝熱面の配置、あるいは検知したいリーク発生場所により異なります。センサ配置は、炉壁管に穴あけ加工などが無いため簡易な工事で設置することが可能です。
仕様
センサ部
振動センサの仕様は以下の通りです。
項目 | 仕様 |
---|---|
振動センサ | 加速度計 |
動作温度範囲 | -50 ~ 121℃ |
導波棒 | SUS304, SS400, SA387-22-1 |
信号ケーブル | 3C2V |
チューブリークデテクタ盤
チューブリークデテクタ盤の仕様は以下の通りです。
項目 | 仕様 | ||
---|---|---|---|
収納盤 | 19インチシステムラック(両面扉) | ||
寸法 | 1800mm(H)x700mm(W)x800mm(D)(注1) | ||
動作温度範囲 | 5 ~ 40℃ | ||
コンディショニングアンプユニット | 入力チャンネル | 32CH(最大)(注1) | |
出力チャンネル | 32CH(最大)(注1) | ||
電源 | AC100 ~ 240V(50/60Hz) | ||
C言語コントローラユニット (MELSEC iQ-Rシリーズ) |
入力チャンネル | 32CH(最大)(注1) | |
周波数レンジ | DC~60Hz(最大) | ||
電源 | AC100 ~ 240V(50/60Hz) | ||
表示用PC(注2) | CPU | Pentium プロセッサ G5400 | |
OS | Windows | ||
電源 | AC100 ~ 240V(50/60Hz) | ||
LCD | 19 inches(Color) |
- 1収納盤1面の寸法および最大数を示します。計測個所数によっては、複数面構成で最大チャンネル数を増やすことができます。
- 2PCは時期に応じて仕様が変更となる可能性があります。