実証設備複合サイクル発電所(第二T地点)の概要

ガスタービン

三菱重工は、世界で初めてガスタービン入口温度1,650℃の高温化を達成した次世代高効率ガスタービン「JAC(J-series Air-Cooled)形」の長期実証に向け、高砂製作所(兵庫県高砂市)にて実証設備複合サイクル発電所(第二T地点)の稼働を開始しました。
地域の電力網に接続された状態で、実際の発電所と同じ運用を行いながら、新開発技術の長期的な信頼性検証を行う、他に類を見ない設備です。

index_im01.jpg

第二T地点の目的

  • ガスタービンの高温化、高効率化、低NOx化のために新たに適用された技術を検証する。
  • 長期間の商業運転により、高効率で環境負荷の低いコンバインドサイクル発電の信頼性を実証する。

沿革

T地点は、1997年よりM501G形ガスタービンの性能試験と耐久試験を実施し、長期実証試験も成功裏に完了しました。その後、2011年2月には、ガスタービンをM501J形の初号機に換装しての試運転を開始、同年無事終了、2015年より強制空気冷却方式で運転開始し、2019年9月まで商業運転を実施しました。
現在、T地点のリプレース設備として建設された第二T地点が、最新鋭のM501JAC形ガスタービンを搭載し、2020年7月から運転を開始しています。

validate02
M501G/G1/GAC (1997~2010)
validate03
M501J (2011~)
M501JAC(2020~)
M501JAC(2020~)

次世代コンバインドサイクル発電の検証

第二T地点は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた最新鋭ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)の実証発電設備です。
この第二T地点を活用し、次世代技術の開発検証を行い、信頼性の高いGTCC設備を実用化し、世界の電力安定供給に貢献していきます。

なお、第二T地点の長期実証運転は、TOMONI HUB(Analytics and Performance Center)から行い、タービンなどの主要機器のみならず、ポンプやファンなどの補機を含めたプラント全体の信頼性を上げるとともに、起動時間の短縮や運転パラメーターの自動最適化など、インテリジェントソリューション「TOMONI」に搭載された各種アプリケーションによる検証を行い、将来的には自動自律運転の実現を目指していきます。

index_im11.jpg

実証発電設備比較

項目 T地点 第二T地点
出力(大気温度5℃) 33.0万kW 38.9万kW 56.6万kW
ガスタービン形式 M501G形 M501J形 M501JAC形
ガスタービン入口温度 1,500℃ 1,600℃ 1,650℃
運転開始年 1997年 2011年(換装時) 2020年