総合排煙処理システム(AQCS)
環境装置
三菱重工は自社でフル・ラインアップのAQCS技術を持つ世界でも数少ない会社であり、お客様のニーズに対応するトータルソリューションを提供し、火力プラントの環境負荷低減に貢献します。
当社は、電気集じん装置(ESP)、脱硫装置(FGD)、ノンリーク式ガス-ガスヒーター(GGH)で構成される新しい排煙処理システムを開発しました。この新システムにより効率的な排煙処理が可能となり、厳しい規制においても煤じんを十分に除去できるようになりました。
ESPの後流にGGHを設置する従来のフローを見直し、ESP上流にGGHを設置するフローを新たに採用することで、ESPの除じん効率の飛躍的な向上を実現します。
ESP性能向上のメカニズム
高性能煤じん除去システム中のESPの性能向上には”1.煤じん除去効率の向上”と”2.SO3除去効率の向上”の二つの要因が寄与しています。
1.煤じん除去効率の向上
2.SO3除去効率の向上
SO3を除去することにより、腐食雰囲気低減や紫煙防止といった効果も見込めます。
GGH
- 熱回収器により、排ガス温度が低下します。
- 酸露点よりガス温度が低下することで、気体のSO3は凝結します。
- 凝結されたSO3が媒じんに吸着します。
ESP
4. 電気集じん装置では、媒じんと一緒にSO3を除去します。
特長
NOx、SO2、SO3、媒じんの除去技術だけでなく、水銀制御技術も有しています。
水銀除去メカニズムの概要は以下の通りです。
- ステップ1
脱硝触媒を用いて水銀を酸化させます。 - ステップ2
媒じんに吸着後中和させて、電気集じん装置またはバグフィルターで回収します。 - ステップ3
湿式石灰石・石膏法脱硫装置により、酸化水銀(HgCl2)を吸収します。
技術紹介
水銀除去技術の中でもコアとなる技術を以下に紹介します。
水銀酸化技術
水銀酸化触媒 (TRiple Action Catalyst; TRACTM)
ハロゲン注入
脱硫装置の上流でHClやNH4Clなどのハロゲンを注入することで脱硝装置における水銀酸化を促進します。そして、酸化された水銀は脱硫装置の吸収塔で吸収・除去されます。