プラント最適化システム

制御システム

概要

プラント最適化システム(MHI-POS:Mitsubishi Plant Optimization System)では実際のプラントデータを効率計算プログラムにインプットすることによって全体のプラント効率に加えて、個々の主要機器の効率を計算することができます。

一方、プラントの理想データである設計時のデータを効率計算プログラムにインプットして求められる結果は、主要機器の最適効率とみなすことができます。

この2種類の効率値を比較すると、両者の間には必ず違いがあります。

実際の効率は、熱交換機などの老朽化や汚れのために低下する可能性があるからです。

このシステムは、設計データから計算された上記の最適効率と実際の効率を比較することで、発電プラントのどの箇所に最大の効率偏差があるのかを突き止めることができるシステムです。

したがって、このシステムを用いると、限られた保守予算をどの部位に投入すれば効果的にプラント性能を向上させることができるかを知る事ができます。

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機能

効率偏差表示

主要機器の実際の効率と最適効率を、プラント系統図上に計算値及び棒グラフとして表示できます。効率偏差は、実際のプラント状態と計算された最適状態を比較した場合の運用コスト損失として通貨に換算した値を表示できます。

プロセス値の妥当性を検証

効率を計算する場合、効率計算に使用されるプロセス値の正確さが重要です。

たとえば、大きな誤差を内包した発信器からのデータを用いて計算された効率は信頼できません。

本システムでは、主なプロセス値の妥当性を主要信号間の相関チェックにより検証します。

主なプロセス値それぞれについて、その信号と相関関係を持った信号との相関データがシステム内にあらかじめ定義されています。プロセス値がこの相関関係から逸脱した場合、その信号は信頼性が低いとみなされ、効率計算の入力からは除外されます。

代わりにプラントモデルで計算された補間データが使用されます。

効率及び効率偏差のヒストリカルトレンドグラフ

測定されたプロセス値、計算された実際の効率、最適効率の計算値などをヒストリカルトレンドグラフに保存し、任意にデータの閲覧ができます。標準として、3年分のデータをシステムに保存できるため、現在の効率をヒストリカルデータと比較することができます。

劣化要素分析

このシステムは効率の劣化要因分析機能を有しています。

実際の効率の最適効率からの偏差がしきい値を超えると、効率劣化警報が発生し、同時に効率劣化要因分析が自動起動されます。

効率劣化要因分析機能は、長年の経験とノウハウに基づく、効率劣化事象とその推定原因の関係を表した知識ベースを基にしています。効率劣化警報をトリガーとして、その時の状況を知識ベースに照らし合わせて効率劣化の推定要因に関するガイダンスを提供します。

本知識ベースに含まれていない事象が新たに発生した場合など、ユーザ側での知識ベースの更新・カスタマイズが可能です。

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効率を計算する主な機器 / POS計算に必要なデータ

効率を計算する主な機器

次の主要機器の効率偏差を計算します。

  • ボイラ
  • 給水加熱機
  • 復水器
  • タービン
  • 主ポンプ(電流値検証)

POS計算に必要なデータ

プラントモデルを使用し、個々の主要機器の効率を計算する必要があることから、プラントのヒートバランスデータが必要です。

DIASYS Netmationが導入された場合、必要なデータはアクセサリーステーション(ACS)を介して取得できます。ACSを介して得られるデータの他に、設計には次のデータが必要です。

  • 主ポンプ及びファンの電流値
  • 使用燃料の発熱量
  • 燃料のコスト
  • 電気料金
  • その他

システム構成

次のようなシステム構成となります。

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プラント最適化システム