M501D シリーズ
ガスタービン
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ガスタービン単体出力
11万kW級
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コンバインドサイクル出力
17万/34万/51万kW級
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燃料の多様化
高炉ガス対応
燃料の多様化にも対応した60Hz発電用ガスタービン
1984年、6台の701D形ガスタービンで構成される109万kWコンバインドサイクル発電所が営業運転を開始しました。そして、このプラントは、今日のコンバインドサイクル発電時代の礎を築きました。DA形は、このD形にF形の高温化技術を適用し性能向上を図ったガスタービンです。
全体構造
ガスタービンの本体は、1970年代初頭に採用され40年以上にわたって実績を積み重ねた基本構造を踏襲しています。その主なものは次のとおりです:
- 熱影響の少ない空気圧縮機側軸端での駆動方式
- シンプルな1軸、2軸受支持の組み立て式ロータ
- コンバインドサイクルの配置に有利な軸流排気
- 分解点検の容易な水平2分割の車室構造
圧縮機
DA形の圧縮機には、実績のある高効率圧縮機を採用しました。中間段以降の静翼は、翼環による支持方式とし、動翼のチップクリアランスを最小に保ちます。
可変式の入口案内翼により、起動時の運用安定性を確保し、コンバインドサイクル運転時には部分負荷性能の改善を図っています。
燃焼器
1984年、世界初の乾式低NOx燃焼器がD形ガスタービンで採用されました。予混合式低NOx燃焼器は、パイロットバーナ1本とそれを取り囲む8本のメインバーナで構成され、燃焼領域の燃空比が調整可能な空気バイパス機構を備えています。
タービン
タービン入口温度の高温化に伴い、第1~3段静翼および第1、2段動翼が空冷翼となりました。また、第4段動翼には、Z形シュラウド付きの翼を採用することにより、長翼の耐振動強度の強化を図っています。
静翼は、各段独立した静翼環により支持されており、タービン車室が熱伸びの影響を受けない構造としています。
構造要目
M501DA | ||
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圧縮機 | 段数 | 19 |
燃焼器 | 個数 | 14 |
冷却方式 | 空気冷却 | |
タービン | 段数 | 4 |
ロータの形式 | 1軸形 | |
出力軸 | 圧縮機側 | |
定格回転速度 | 3,600 rpm | |
ガスタービン本体 | 長さ×幅×高さ | 11.4×4.5×4.8 m |
概略重量 | 190 ton |
ガスタービン単体性能
M501DA | ||
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周波数 | 60 Hz | |
ISO定格出力 | 113,950 kW | |
熱効率 | 34.9 % LHV | |
熱消費率(LHV基準) | 10,320 kJ/kWh | |
排ガス流量 | 354 kg/s | |
排ガス温度 | 543 ℃ | |
排気排出物 | NOx | 25 ppm@15%O2 |
CO | 30 ppm@15%O2 | |
ターンダウン負荷 | 75 % | |
負荷変化率 | 7,000 kW/分 | |
起動時間 | 30 分 |
コンバインドサイクル性能
M501DA | ||
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1 on 1(一軸形) | プラント出力 | 167,400 kW |
プラント熱効率 | 51.4 % LHV | |
2 on 1 | プラント出力 | 336,200 kW |
プラント熱効率 | 51.6 % LHV | |
3 on 1 | プラント出力 | 506,200 kW |
プラント熱効率 | 51.8 % LHV | |
起動時間 | 70 分 |
配置例 - 一軸形
- ガスタービン
- 蒸気タービン
- 発電機
- 吸気フィルタ
- 排ガスボイラ
- 電気・制御パッケージ
- 主変圧器
- 復水器
配置例 - 別軸形(2 on 1)
- ガスタービン
- GT発電機
- 蒸気タービン
- ST発電機
- 吸気フィルタ
- 排ガスボイラ
- 電気・制御パッケージ
- GT主変圧器
- ST主変圧器
- 復水器
主な納入実績
最近の受注実績
形式×台数 | 営業運転開始 | プラント仕様 | |
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POSCOパワー(韓国) | M501DA×4 | 2010-2014 | 高炉ガス焚きコンバインドサイクル |
和歌山共同火力・和歌山共同発電所1号 | M501DA×1 | 2014 | 高炉ガス焚きコンバインドサイクル |
神戸製鋼所・神鋼加古川発電所1、2号 | M501DA×2 | 2011、2015 | 高炉ガス焚きコンバインドサイクル |
大分共同火力・大分共同発電所3号 | M501DA×1 | 2015 | 高炉ガス焚きコンバインドサイクル |